絵画のレンタルサービスとは?

絵画のレンタルサービスとは、料金を支払うと一定期間作品を借りられるというシェアリングエコノミーの考えに基づいたサービスです。

シェアリングエコノミーとは、個人が所有していて使っていない資産(スキルを含む)の貸出しを仲介するサービスです。貸主は資産の活用による収入を得ることができ、借主は資産を所有することなく利用できます。

絵画やアート作品が好きで「部屋に飾りたいけれど、高くてなかなか手が出ない…」という方は、レンタルサービスであれば手頃な価格で絵画を楽しめます。

部屋の模様替えをしたときや、季節ごとに雰囲気に合った絵画に変更することも可能です。絵画は、鑑賞のみならず部屋のインテリアとしても活躍します。壁に一枚飾ってあるだけで、部屋の雰囲気をワンランクアップしたような印象にしてくれるでしょう。

アートをより手軽に楽しめるよう、絵画をレンタルできる人気のサービスをぜひチェックしてみてください。

絵画をレンタルできる人気のサービス6選(2023年9月現在)

ここからは、個人で絵画をレンタルできる人気のサービスをご紹介します。それぞれのサービスの特徴も解説していますので、絵画をレンタルする際の参考にしてみてください。

Casie(カシエ)

「Casie」に登録しているアーティストの作品の中から、好きなアートを選んで借りられるサブスクリプションサービスです。

現在約1,300人のアーティストが所属しており、アートをレンタルする利用料からアーティストに報酬が支払われます。世界に一つだけしかない原画を楽しみながら、アーティストの創作活動を応援することにつながるのも魅力です。

サービスは2つのコースがあり、絵画に詳しくない方はおまかせを選択すれば、コンシェルジュがおすすめの作品を選んでくれるので安心です。好きな絵を自由に選びたい方やアートに精通している方なら、ホームページで紹介されているアート作品の中から、部屋の雰囲気や季節に合った作品を自分で選んでみましょう。

料金は大きさごとに3つのプランに分類されており、「ライトプラン」は手軽なはがきサイズで2,200円/月、「レギュラープラン」はポスターサイズで3,300円/月、「プレミアムプラン」は30号(約90cm×73cm)程度で5,830円/月で絵画がレンタル可能です。

絵画を交換する際には交換手数料がかかりますが、最大で月1回の交換ができます。補償料は料金に含まれているため、追加の請求が発生することはありません。

ギャラリー四季

油絵をはじめ、版画や水彩画、アクリル画などの絵画や、フラワー、グリーンなどのさまざまな素材を使った壁掛けアートをレンタルできるサービスです。多彩なジャンルを取り扱っているため、さまざまな目的や用途に合った作品が見つかりやすいでしょう。

絵画の選び方は、①自分で選ぶ、②コーディネーターに任せる、③要望に合わせて企画書を作成する、の3通りから選べます。料金はジャンル別に分かれており、額のサイズで5~12のプランに細かく分類されています。

安いものは2,000円/月以下から、高いものは7,000円/月を超える作品もあり、どのプランも総額8,000円/月以上であれば送料は無料です。

契約期間は2年間で、その後は1年毎に自動更新されます。交換周期は3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月からいずれかを選び、好きな回数で交換可能です。

すべての作品に損害保険がかけられているため、火災や自然災害、盗難などの場合は免責され、傷が付いてしまっても修繕費用はかかりません。

ENOAL(エノアル)

多くのアーティストの活動を応援するために、アートを必要としている人とマッチングさせ、レンタルと販売を行っているサービスです。

2種類のプランがあり、「ENOALプラン」はレンタルしてから3ヶ月経つと交換が可能になり、送料無料のクーポンが発行されます。「交換自由プラン」は、いつでも好きなタイミングで交換できますが、レンタル時の送料は負担しなければなりません。

料金が4つに分類されており、レギュラーやラージ、ウォールはサイズごとに月額料金や送料が固定ですが、プレミアムはアートによって価格設定が異なります。どの作品がよいか迷ったときには、公式LINEで相談すると希望に沿ったアートをキュレーター※に選定してもらえます。

レンタル中の作品を購入する場合、「ENOALプラン」であれば最大3ヶ月分のレンタル料を代金から差し引いた金額で購入できるのも魅力です。

※美術館や博物館などの文化施設で、美術品や資料の収集や保管、管理などをする学芸員、またはフリーランスで活動する人

TAJIRO工房(タジローコウボウ)

油絵や水彩画、アクリル画や水墨画など一点物の原画がレンタルできるサービスです。作品の大きさによってS・M・L・LLの4つのプランがあり、料金は2,980円/月~でサイズが大きくなるほど高くなります。作品は3ヶ月毎に交換となり、解約料などは発生しません。

初回は、コーディネーターが絵画の好みや取り付ける場所などをヒアリングし、おすすめの作品を選んでくれます。Sコースのみ郵送、それ以外のコースは宅配業者が届けてくれますが、京都、大阪、兵庫、滋賀、奈良に配送希望の場合はスタッフが直接取り付け交換を行ってくれるので便利です。

画家を10名に絞ることにより1人当たりの貸出数が増えるため、レンタル料金は手頃な価格に抑えられています。F80(145.5cm×112.0cm)以上の大きく迫力のある作品が多いのも、TAJIRO工房ならではの特徴です。

ARTELIER(アートリエ)

「ARTELIER」では、絵画の購入やレンタルに加え、利用者がARTELIERで購入した作品の売却や貸し出しも行っています。アーティスト本人から購入した一点物の原画のみを取り扱っており、信頼感を得るために取引履歴を公開しているのが特徴です。

レンタルプランは、サイズを基準にしたものではなく作品の取引金額による価値で分かれており、「レギュラープラン」3,800円/月と「プレミアムプラン」5,700円/月の2種類があります。作品が手元に届いた日を起点にし、1ヶ月ごとに自動決済手続きが行われます。

1作品のレンタル期間が1ヶ月を超えると、同プランの作品との交換が可能です。ただし、1回交換するごとに交換手数料がかかります。販売価格が表示された作品については、気に入ればいつでも購入可能です。

ukio(ウキオ)

浮世絵をサブスクリプション型でレンタルするサービスです。こちらでは、葛飾北斎や歌川広重など、有名な作家の作品を200種以上取り扱っています。すべて江戸時代と同じ手法と素材を用いて、株式会社アダチ版画研究所が制作した復刻版の浮世絵です。現代絵画とは縦横比が異なるため、浮世絵専用額に入れて届けられます。

日本の伝統の技術である木版を駆使して描かれた浮世絵ですが、モダンな雰囲気の部屋やナチュラルテイストのインテリアにも程よくマッチします。

喜多川歌麿や東洲斎写楽といった絵師から探したり、名所江戸百景や東海道五十三次のように作品のシリーズから探したりも可能です。

プランはスタンダード4,400/月と、プレミアム9,000円/月の2種類あります。最低レンタル期間はなく、手数料はかかりますが好きなタイミングで作品を手軽に交換できる点が魅力です。

絵画のレンタルサービスを選ぶときのポイント

絵画のレンタルは、提供しているサービスによって作品の種類や仕組みが異なるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。ここからは、絵画のレンタルサービスを選ぶときのポイントを解説します。

①コーディネートサービスの有無

絵画を選ぶ際に、どのような作品がよいのか分からない場合は、コーディネートサービスがあるものを選ぶのがおすすめです。

コーディネーターが「どこに飾りたいのか」「どのような雰囲気にしたいのか」「好きな色は何色か」などを聞き取り、季節やインテリアに合ったおすすめの作品を届けてくれます。

②補償の有無

絵画のレンタルサービスを利用する前に、補償についても確認しておきましょう。アート作品は高価であるため、汚れや破損で買い取りになると大金を支払わなければなりません。

補償費が含まれている場合、故意ではなく過失による汚れや破損なら修理費用を払わなくてよい場合があります。

③交換の可否

届いた作品がイメージと違っていたり好みでなかったりした場合は、他の作品と交換できると便利です。

ただし、初回のみ到着後5日以内であれば無料交換可能など、条件付きのことが多いです。そのため、サービス利用前に確認しておくことが重要となります。

④購入の可否

レンタルして気に入った作品を購入できるかどうかについても、事前に確認しておくとよいでしょう。

「絵画を購入したいけれど、どのような作品が部屋に合っているのかわからないからレンタルから始めよう」と考えている方は、ぜひチェックしておきたいポイントです。

購入可能である場合、レンタル期間中に支払った料金を差し引いてくれる場合と返金されない場合など、対応はさまざまなので、あわせて調べておきましょう。

絵画をレンタルする際の注意点

絵画をレンタルする際には、いくつか注意しておきたいことがあります。サービス利用前にきちんと確認しておけばトラブル発生のリスク低減につながるため、ここからご紹介する注意点に目を通しておきましょう。

最低レンタル期間を設けている場合がある

絵画のレンタルサービスでは、最低レンタル期間を設けている場合があります。最低1ヶ月、長いものでは2年程度の契約を必要とすることもあるため、注意しなければなりません。

最低レンタル期間中は作品を早めに返却しても料金が返金されないため、初めて絵画レンタルを利用する方は短めのサービスを選ぶのがおすすめです。

交換手数料がかかる可能性がある

絵画を交換する際は、月額利用料とは別に交換手数料がかかる場合があります。レンタルサービスによって条件が異なり、手数料にも違いがあります。

また、交換する際の送料についてもサービスによって要不要が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

返送用段ボールの保管スペースが必要

絵画をレンタルする場合、絵画が入っていた段ボール箱や緩衝材、返送用伝票などを返送まで保管しなくてはなりません。作品返却時に必ず必要になるものなので、捨ててしまわないよう注意してください。

大きめの絵画をレンタルした際には段ボール箱も大きくなるため、ある程度の保管スペースが必要となります。

返却するだけでは解約にならない

絵画のレンタルを中止する際は、プラン停止の申請が必要になります。作品を返却するだけでは解約にならない場合が多いため、サービス利用前に調べておきましょう。

絵画のレンタルサービスで気軽にアートを楽しもう

絵画のレンタルは、手軽にアートを取り入れられる便利なサービスです。購入するのはためらってしまうような高価な作品でも、レンタルなら気軽に始められます。

どのような作品がよいか迷ったときは、コーディネーターに好みを伝えて自分に合った作品を提案してもらいましょう。

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