オンラインストレージとは?その仕組みも解説

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オンラインストレージはよく耳にする言葉ですが、具体的な意味がわからない人も多いと思います。まずはオンラインストレージとはどんなサービスか、仕組みもあわせて解説するので参考にしてみてください。

クラウドサービスのひとつ

オンラインストレージは、クラウドサービスのひとつです。クラウドサービスとは、インターネットを使用して提供されているサービス全般を指します。クラウドサービスに含まれるオンラインストレージやメールサービスなどは、インターネット空間のシェアリングサービスです。

インターネット上でデータを管理するサービス

オンラインストレージとは、データの管理をインターネット上でできるサービスです。ネットワーク上に設置されたストレージにログインして、ファイルを保存する仕組みになっています。オンラインストレージはネットワーク上にサーバー機能があるため、インターネットがつながる場所ならどこからでも接続可能です。

提供しているサービスに登録すると利用可能

提供しているサービスに会員登録すると、オンラインストレージが利用できる仕組みになっています。後に紹介する、Google Drive、Microsoft OneDrive、iCloud Driveなどが代表的なサービスですね。無料と有料のどちらもあり、個人利用のみならずビジネスシーンにも多く導入されている便利なサービスです。法人向けのオンラインストレージは、セキュリティ対策を強化した製品も多くあります。

オンラインストレージの基本的な使い方

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ここからは、オンラインストレージとはどのようなものか、基本的な使い方を解説します。

自動バックアップ

自動バックアップ機能で、作業の手間やハードウェアの管理・保管などの必要がなくなる使い方ができます。オンラインストレージを利用して保存したデータは、ダウンロードせずにインターネット上で編集可能です。更新した内容は自動で保存されるため、日々の膨大なデータを保存する作業の手間を省けます。

ファイル転送サービス

ファイル転送サービスもオンラインストレージの主な機能のひとつで、大きなサイズのデータをやり取りする使い方ができます。オンラインストレージにファイルをアップロードすると、データを送りたい相手が直接ダウンロードできる仕組みです。ダウンロードURLとパスワードを伝えるだけで大きなサイズのデータをやり取りできるので、圧縮・解凍などの手間も減らせます。

ファイル共有

オンラインストレージのファイル共有機能を利用すると、アクセス権限を持ったユーザーであれば、複数人でアクセスする使い方が可能です。インターネットがつながる場所であればどこでも利用できるので、自宅や外出先からの閲覧や編集もできます。更新した内容をリアルタイムで確認できたり、複数人で同時にアクセスしたりできるため、情報共有をスピーディーに行えます。

オンラインストレージの便利な機能

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オンラインストレージを提供しているサービスによって、搭載されている機能は異なります。以下では便利なものを紹介します。

ファイル復元

多くのオンラインストレージでは、ファイル復元の機能を備えています。作業中に誤って削除してしまったファイルでも、復元できる便利なサービスです。ただし、提供しているサービスによって、復元できる有効期限が異なります。万が一に備えて、復元する方法と有効期限を事前に調べておきましょう。

OCR機能

膨大なデータが保存されているため、検索して目的のファイルを見つけられるOCR機能が役立ちます。オンラインストレージにおけるOCR機能とは、カメラやスキャナーで手書きやPDFファイルの文字を取り込むとテキスト化できるツールです。さらにテキスト化された文字列は、ファイルにメタ情報として紐づけられます。そのため、そのなかのキーワードが1つでもヒットすれば、該当するファイルを見つけ出せる便利な機能です。

ファイルへのコメント

オンラインストレージ上で作業をする際に、ファイルへのコメント機能があると便利です。複数のユーザーで共同作業する場合、保存したファイルにユーザー各々がコメントを入れられる機能をいいます。リアルタイムで情報を共有でき、変更や修正依頼などもスムーズに行えるのがポイントです。

オンラインストレージのメリット

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オンラインストレージには、データを自動でバックアップしたりファイルを共有したりなど、多くのメリットがあります。以下でオンラインストレージのメリットを解説するので、参考にしてください。

導入や運用コストを抑えられる

通常、社内のネットワーク上でデータを保存する場合、専用サーバーの設置が必要です。その点、オンラインストレージはインターネット上にサーバー機能があるため、会社で機器を購入する必要がありません。専用サーバーの運用・管理する人材を雇う費用も削減でき、結果として導入や運用コストを抑えられます。

どこからでもアクセスできるので業務の効率化につながる

場所を選ばずにどこからでもアクセスできるため、業務の効率化につながるのがメリットです。外出先で必要になるファイルをオンラインストレージで管理すれば、資料を持ち歩く必要がありません。また、複数人が同時にアクセスできるため、リモート会議中に同じ資料を見たり編集したりできます。フレックスやテレワークなど、さまざまな働き方に対応しやすいでしょう。

データ消失のリスクを分散できる

オンラインストレージを利用することにより、データ消失のリスクの分散にもつながります。会社のデバイスが故障したり停電や地震などの災害が起きたりしても、オンラインストレージで管理していれば安心です。大切なデータを失うことなく、さまざまなリスクから守ってくれる利点があります。

必要に応じて容量を拡張できる

必要に応じて容量を拡張できるので、無駄がでないということもメリットです。オンラインストレージは、容量によって価格が異なるサービスなので、適切な大きさを選ぶことが大切です。無料版で容量が足りないときは、プランを変更すれば簡単に拡張できます。

常に最新バージョンで利用可能

運用や保守は、基本的にオンラインストレージを提供しているサービスが行ってくれます。そのため、ユーザーがバージョンアップなどを行う必要がなく、常に最新の状態になっています。ユーザー側としては、メンテナンスなどの手間いらずで手軽に使えるということは、大きなメリットとなりますね。

オンラインストレージのデメリット

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データの管理に便利に使えるオンラインストレージは、場合によってデメリットに感じることもあります。以下にまとめたので、事前にチェックしておきましょう。

カスタマイズ性が乏しい

機能や仕組みにある程度決まりがあるオンラインストレージは、カスタマイズ性が乏しいのがデメリットです。提供しているサービスによっては、初期は基本的な機能しか利用できない場合があります。

業務内容に合わせて欲しい機能があっても、思い通りにカスタマイズするのは難しくなるでしょう。主なオンラインストレージは多くの企業に幅広く対応する設計になっているため、大幅なカスタマイズには対応していないのです。

しかし、なかには豊富な機能を備えたサービスがあるので、導入前に必要なものが搭載されているかチェックしておきましょう。特に有料サービスはビジネスに必要な機能を実装しているものが多く、大きな不便を感じることはないと考えられます。

インターネット環境がないと利用できない

オンラインストレージは、インターネット環境がないと利用できないのがデメリットです。インターネットがあればどこからでもアクセスできますが、つながらない場所では一切見られなくなります。インターネットがつながりにくい場所に行く場合は、事前にモバイルWi-Fiを用意しておくのもおすすめです。

障害時の対応はサービス会社に依存する

障害が起こった場合、サービスを提供している会社が対応します。オンラインストレージにおける運用や保守のすべてを行ってくれるのはメリットですが、万が一障害が起こった場合の対応を自社でできないのはデメリットです。

緊急性が高くすぐに解決したい場合でも、ユーザーは何もできない仕組みになっています。そのため、障害が発生したときの対応について、サービス内容を確認しておいたほうがよいでしょう。夜間や休日の障害にも対応できるように、運用監視サービスを利用すると便利です。

オンラインストレージを利用する際の注意点

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オンラインストレージはとても便利な使い方ができるサービスですが、注意すべき点もあります。利用を考えている場合、導入前にチェックしておきましょう。

無料サービスの保存期間

無料でオンラインストレージを利用する際は、サービスの保存期間に注意しましょう。無料サービスやお試しプランでは、一定期間アクセスしなかった場合にデータやユーザーアカウントが削除されることがあります。また、お試しプランから通常のプランにデータを移行できない可能性もあるので、注意が必要です。利用開始する前に、規約をきちんと確認しておくことをおすすめします。

情報漏洩のリスク

インターネット上でファイルを管理する仕組みになっているため、情報漏洩のリスクが伴います。例えば、ファイルのダウンロードURLの誤送信や、セキュリティの脆弱な無料サービスで不正アクセスの被害に遭うなどです。また、パスワードやアカウント情報の流出にも注意が必要になります。

大切なデータはセキュリティのしっかりしたサービスを選ぶことで、情報漏洩のリスクが軽減できます。加えて、パスワードやアカウント情報の管理もしっかり行えば、被害を防ぐことにつながるでしょう。導入にあたっては、情報漏洩のリスク管理には十分注意しましょう。

利用可能容量の想定

オンラインストレージの導入の際には、利用可能容量も考慮しましょう。保存可能な最大の容量が設定されているサービスと、基本容量にプラスして従量課金されるものがあります。多くのデータを管理できるオンラインストレージでも、従量課金分で予算をオーバーしてしまうので注意が必要です。

法人向けのオンラインストレージの選び方

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法人向けのオンラインストレージは評判を参考にするのはもちろん、自社に適した機能を備えたものにすることが大切です。ここからは、法人向けのオンラインストレージを選ぶときのポイントを紹介します。

セキュリティ機能をチェックする

セキュリティ機能は、オンラインストレージを選ぶ際に重要なポイントです。ハッキングや情報漏洩のリスクを回避できるよう、セキュリティ対策に優れたオンラインストレージを選ぶ必要があります。

例えば、ファイル情報を暗号化する「SSL」に対応しているか、サーバー内のウイルスチェックを定期的に実施しているかなどです。また、サーバー上の行動を記録できる「ログ機能」が付いているかも確認しておきましょう。

データ移行サービスがあるものもおすすめ

自社に情報システムなどに精通する部門がない場合は、データ移行サービスのあるオンラインストレージを選ぶのもよいでしょう。「NAS」や「ファイルサーバー」などの既存の環境から、大容量のデータを移行してくれるサービスです。大容量のデータでも、転送ツールを利用すれば簡単に移行できるでしょう。

データ容量の拡張性の高いものを選ぶ

オンラインストレージのデータ容量は、拡張性の高いものを選ぶと便利です。オンラインストレージの料金は容量の大きさによって異なり、無制限や大容量のプランもあります。しかし、自社に必要な容量よりも大きすぎるオンラインストレージは無駄になってしまうでしょう。

料金だけで比較するのではなく、拡張性にも注目して選ぶようにしてください。足りなくなったときに増量すればよいので、無駄を省けます。事前にどのくらいの容量が必要なのかを想定し、適切なサービスを選ぶようにしましょう。

代表的なオンラインストレージ3つを紹介(2023年8月末現在)

ここからは、代表的なオンラインストレージの3つのサービスを紹介します。それぞれの特長を理解し、オンラインストレージを選ぶための参考にしてみてください。

Google Drive

「Google Drive」は、Googleアカウントを持っている人であればすぐに利用できます。ドキュメントやスプレッドシートなど「Google Workspace」アプリと連携しており、効率的なコンテンツ作成や共同編集が可能です。また「Microsoft Office」のファイルも、形式を変換することなく共同編集や保存ができるという利点もあります。

Microsoft OneDrive

Microsoftのアプリケーションに対応したオンラインストレージには、「Microsoft OneDrive」があります。WordやExcelなどをはじめとした複数のアプリケーションに対応しているので、業務の効率化につながるでしょう。無料プランの容量は5GBまで利用できますが、「Microsoft 365 Personal」を使用している場合は1TBまで使えます。

iCloud Drive

個人での利用を考えている人には、「iCloud Drive」が便利でしょう。iOS搭載のデバイスやMacOSのパソコンだけでなく、Windowsパソコンでのバックアップの作成や使用も可能です。iCloud Driveを設定しておけば自動でバックアップされるので、大切なデータを保存するのに便利です。また、友人や家族、同僚などとのファイルやフォルダの共有にも活用できます。

3つのサービスの比較表

上記で紹介した3つのサービスの比較表を記載します。容量や有料プランの月額料金には違いがあるので、自分に合うサービスを選ぶために役立ててください。

無料の容量

有料プランの容量

月額料金(1ユーザー当たり)

セキュリティ

Google Drive

15GB

30GB~無制限

680円~

reCAPTCHA

Microsoft OneDrive

5GB

100GB~無制限

540円~

2段階認証、セキュリティ監視システム

iCloud Drive

5GB

50GB~2TB

130円~

エンドツーエンド

機能をきちんと確認して適切なオンラインストレージを選ぼう

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オンラインストレージは、さまざまな使い方ができる便利なサービスです。提供しているサービスはたくさんあるため、機能をきちんと確認する必要があります。多くのサービスを比較し、容量や機能など自分に合った適切なものを選びましょう。

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