akippaとは

akippaは駐車場予約アプリです。契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫・空き地・商業施設などの空きスペースに、駐車場を探している方はネット予約して駐車でき、誰でも簡単に駐車場をシェアすることができます。

今回インタビューをさせていただいたakippa株式会社様は2009年に創業、最初は営業会社からのスタートでした。そこから2013年に現在のビジョンである「“なくてはならぬ”をつくる」を掲げ、翌年このakippaをリリースしています。(※1)



※1:取材時は旧ミッション。2023年5月16日より、akippa株式会社は新コーポレートミッションを「リアルの”あいたい”を世界中でつなぐ」にアップデートしました。(詳しくはこちら:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000396.000016205.html



    

akippaローンチへの大きな転換点を経験



 

-----本日はよろしくお願いします! まず、森村さんの自己紹介やお仕事内容をお聞かせいただけますでしょうか?



入社してからずっと広報担当として仕事をしています。入社したころは現在のakippaのサービスもなく、営業会社でしたので自分も営業の仕事をする気持ちでした。なので、入社当日に代表の金谷に声をかけられ「広報の仕事をやってほしい」と話があったときはすごく驚きました!

そもそも広報そのものを知らず、自社サービスで何を広報したらいいのかわかりませんでした。そのため、まずは社内制度を通じて会社のことを広く知ってもらうことに注力しました。

例えば当時“シャッフル飲み会”というものをやって部署同士の交流を活性化する取り組みをしていました。このシャッフル飲み会をメディアで紹介してもらうことでたくさんの方に興味を持っていただき、「面白いことをやっている会社だな」と思ってもらいたいという狙いがあったんです 。


 

-----現在のakippaさんとはずいぶんと違う印象ですね!akippaをローンチするまでの経緯を教えていただけますでしょうか?



私が入社したのが2013年4月なのですが、当時は営業会社で数字を追い求めるあまりお客様からクレームが多く寄せられ、このまま同じことを続けていいのかどうか社内全体に迷いがありました。自分たちのやっていることが果たして世の中の役にたっているのだろうかと考えている社員が多かったのです。

そんな中、取締役である松井から「この会社のビジョンって何ですか?」と代表の金谷に対して会社の目指す先を改めて決めようという提案がありました。

ちょうど同時期に金谷が停電を体験し、その出来事から生活に不可欠なインフラの大切さを感じ、インフラを作るという方向性からミッションを「“なくてはならぬ”をつくる」と決めました。

“なくてはならぬ”をつくるとは、“世の中の困りごとを解決する”こと。営業会社から路線を変更するために、まずは困りごとを元に自社サービスを作ることからスタートしました。当時のメンバー全員で生活に不可欠だとそれぞれが考えるものを模造紙に約200個書いたことは今でも鮮明に覚えています。

その一つに、コインパーキングは現地に行ってから「満車」だと知るため困るというものがあり、「たしかにそういうことって自分も体験したことがある!」と社員の間でも話題になったんです。そこから着想を得てドライバーと空きスペースをマッチングするサービスakippaが生まれました。




IT業界が集うコンテストでの優勝が認知のきっかけ

 
 

-----もともと営業会社だったところから、大幅に路線を変更してIT会社になってきたわけですよね。正直、自分がその当時の会社にいたらかなり戸惑いそうだと思ってしまうのですが、森村さんの目から見て社内での理解はあったのでしょうか?



社員の中では不安の声が正直ありました。今まで営業しかやっていなかったので、どのようにしてサービスを広めていくのか、そもそもITサービスを立ち上げられるのかなど、迷いはあったと思います。

そんな時にIT企業が集う「IVS(infinity ventures summit)(※)」というイベントがありました。IVSの中に主にベンチャー企業が自社のビジョンやサービスをプレゼンテーションする場があるのですが、そこでなんと弊社が関西企業として初の優勝をしたのです!

代表の金谷は、そのコンテストのためにプレゼンを何十回も練習をするという念の入れようでした。当時は金谷自身も社員の迷いや新しいミッションに対する期待を感じており、このコンテストで社員がサービスに自信を持てるきっかけになれば、と考えていたようです。

その想いがあったからこそ大きな舞台でも結果を作れたのだと私自身、金谷を見ていて感じました。

そこから、IT企業として認知されたという感覚がありますね。アプリ開発にとって不可欠なエンジニアも弊社に興味を持ってくれるようになりました!

また、一番大きかったのはやはり社員の自信です。IVSという大きなコンテストで優勝できるだけのサービスを自分たちは作ろうとしているのだ、という自信はローンチ当初の大きな転換点でした。

そして現在に至るまで広報としてakippaのサービスを広める活動をしています。ローンチ前から携わっていることもあり、自分の子どもが成長している感じを受けますね。より多くのお客様に喜んでいただけるようにしたいです。



※IVS…主にインターネット業界の経営者や幹部が集まり、業界の展望や経営について語る、招待制カンファレンス。国内最大級のインターネット業界経営者のコミュニティ。



広報を効果的に使うことで事業展開のスピードを上げる

   
 

-----akippa様はコンテストの優勝から7年ほどで日本有数のシェアリングサービスになられています。事業展開のスピード感がとても速いですね!その秘訣は何なのでしょうか?



代表の金谷が広報という活動への理解や、広報に力をいれていることが大きいですね!

コロナ禍で行った施策の一つに駐車場での野菜販売が挙げられます。

当時は、外食はおろかスーパーに行くのも控えるような時期でしたし、農家さんは販売先である外食店が閉店しており卸先に困っておられたので、それを解決したいという想いから着想を得ました。

この施策は農産物直売所の検索サービス「YACYBER」さんと、社内では代表の金谷+広報という少ないメンバーで開催までやりきりました。

    
  

----広報が企画の当初から参画することはあまりイメージがないので驚きです!



新しいものが始まる時には、社内の打ち合わせから広報が入っています。そうすることで情報を入手しやすくし、広報活動に活かしています。

また企画立ち上げ時から関わることで、企画そのものにも愛着が湧きますし、より力を入れて広報活動をしていこうというモチベーションにつながりますね。



----たしかに、企画段階から関わったプロジェクトだと奥にある想いもよく分かりますよね!社内での広報に対する理解はどうなのでしょうか?



金谷も売り上げはもちろんですが、メディア露出をして長期的な認知度を獲得していくことが大切だと理解してくれていて、そのため社内全体が広報活動に協力的ですね。

社内から「こんな情報があるんだけど」と提供があったり、「何かできることはない?」と声をかけてもらったりすごく協力的です。すごくありがたいです!

おかげさまで金谷も色んなイベントに呼んでいただけるのですが、登壇の場所に必ず広報が同行し代表の想いを知っておくようにしています。金谷がいないイベントや取材の場でも同じように話ができる状態を作るためです。

トップが話す言葉は社外に広く出るものなので、発信の際に広報も同じことが話せるとさらに効果的な広報 ができると思います。



----なるほど!トップの金谷さんと同じことを話せる方がたくさんいればそれだけ認知度を広げることも早くなるということですね。



その通りですね!規模の小さい時期からベンチャーで専任の広報を置く会社は多くないと感じています。ただ金谷のこの姿勢がakippaの認知度が広がってきた要因の一つなのではないかと思っています。



ピンチをチャンスに変えてきた

 
 

-----成功の秘訣をお聞きしたのですが、逆に設立以降に苦労されたエピソードなどはあるのでしょうか?



前述のIVSの2年前、そしてakippaをローンチする前の2012年に経営不振に陥り残金が1万円になったこともありました。

そんな時、金谷が有望なスタートアップ企業に資金を投資するVC(ベンチャーキャピタル)の存在を知り、出資を求めてVCにテレアポをしました。

その中で1社のVCに興味を持っていただき実際に来社いただけることになりました。

そこで社員の明るく全員が気持ちよく挨拶する雰囲気に対して感銘を受けられたようで、「これだけ気持ちよくコミュニケーションをとれる人たちがいる会社なら間違いない!」と太鼓判を押していただき資金を調達することができました。

その前年、2011年には新卒採用をスタートしており、金谷も暗い雰囲気にしないようにと努めて明るく、人への投資をしていたと聞いています。

初年度の新卒採用は6人だったのですが、何と当時の社員人数も同じ6人だったのです(笑)

そんな状況でも金谷は「新卒一人に社員を一人つければいけるよ!」とものすごく前向きだったそうです(笑)



-----社員の数と同じだけの新卒を採用するとはすごいですね!akippaをローンチした後のエピソードはありますでしょうか?



新型コロナウイルスの流行初期に外出を控える方が多かったことですね。akippaは人が移動してこそのサービスなので。

従来は通勤や買い物などの日常での駐車場利用より、野球観戦などの非日常での利用がウェイトを占めています。

それがコロナ禍でイベント自粛の影響が出て非日常の利用がほとんどなくなりました。

一方、利用目的で通勤などの日常利用が増えたのがこの時期です。コロナ禍でも医療従事者の方など移動せざるを得ない人にとっては、人との密を避けられる自動車移動が好まれるんですよね。

そこで、移動せざるをえない人に向けた駐車場割引クーポンを配布するなど支援活動を実施して同時に駐車場もオフィス街や駅前を積極的に開拓、都心部の駐車場をコロナ前の約1.5倍に増やしました。

イベント開催が再開してきた今では、スポーツチームとの提携が増えましたね。自粛ムードは収まったものの安心してスポーツを観にいきたいというニーズはあり、各スポーツチームも自動車での来場に備えるようになっています。



-----ピンチを逆にチャンスに変えたのですね!まさに今までの成功にこだわらず新しい販路を開拓するakippa様の大切にされている心構えが感じられますね!



ありがとうございます!

サービスとしてはコロナ禍で一時的に厳しい状況になりました。それが逆に社内コストを見直すきっかけになったり、新しい需要を掘り起こすことができたりと、今は従来のイベント需要も戻ってきてより筋肉質になっていますね。



-----どんな状況でも前向きに捉えて次の手を打っていく、まさに代表の金谷様の姿勢が会社全体に浸透していると感じました!最後に今後のビジョンについてお聞かせください。



弊社は駐車場の問題だけを解決する会社ではなく、社会の困りごとを解決する会社でありたいと社内では常々話しています。

移動することは手段であって、本来の目的は「会いたい人に会う」「行きたい場所に行く」ということだと思います。

言うなれば、出会いのハブにakippaがなりたいですね。どこに行ってもakippa駐車場がある状態をつくりたいです。

将来的にEV車が普及したときにはakippaの駐車場で充電をする姿が見られることがとても楽しみです。





-----本日は貴重なお話、ありがとうございました!



ありがとうございました!







本日はakippa株式会社の森村様にお話を聞きました。サービスローンチから10年足らずで、日本有数のシェアリングサービスにまでなった秘訣をお伺いすることができました。

これからも新しい困りごとの解決に向け、ますます存在感を増していくakippaに注目していきたいです。


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