そもそもシェアレストランとは?

 

店舗スペースをシェアするレストラン

シェアレストランとは、飲食店を間借りする営業形態のことです。既存店の定休日や空き時間に間借りして、自分のお店をオープンさせるという方法になります。定休日の火曜日に借りてカレー専門店を開いたり、夜営業のバーを借りて昼間にランチを提供したりといったシェアレストランがあります。

 

既存店のオーナーは空き時間に収入が得られて、間借りする側は費用を始めとした開業にまつわるメリットが受けられます。新しい営業形態として注目を集めている方法で、気軽にお店をオープンしたいという方におすすめです。

 

シェアの形態はさまざま

シェアレストランと一言でまとめても、シェアの形態はさまざまです。個人で既存店を間借りする形や1つのレストランを複数のシェフでシェアする形、キッチンだけを借りる形などいろいろあります。中でも、客席なしでキッチンだけを借りる形は、デリバリーに特化したい方に人気です。店舗がないことから、「ゴーストレストラン」とも呼ばれています。

 

マッチングサービスを活用して間借り

シェアレストランを希望する場合、マッチングサービスを活用して間借りできる店舗を探すのがいちばんです。シェアレストランの需要が高まったことから、貸したいオーナーと借りたい人をマッチングするサービスが充実してきています。

 

マッチングサービスを使うことで間借りに必要な手間が省けるので、気になる方は活用してみてください。シェアレストランのマッチングサービスはいろいろあり、独自の特長やサポートが受けられる点も魅力です。

 

もちろん、始めたいシェアレストランの形態に特化したマッチングサービスもあります。客席ごと借りたいのかゴーストレストランとしてデリバリー販売に特化したいのか、自分好みの営業ができるサービスを選んで活用してください。

 

シェアレストランで間借りするメリット

 

シェアレストランと通常の開業とでは、資金や期間、準備といった面で大きな違いが見られます。ここからはシェアレストランで得られる、嬉しいメリットをご紹介します。

まとまった開業資金が不要

シェアレストランで間借りするメリットは、なんといってもまとまった開業資金が不要になることです。通常の形でお店を始めるには、テナントなどの保証金や礼金、仲介手数料といった物件取得費が必要になります。

 

また内装や外装の工事が必要であったり、厨房設備を調える費用がかかったりします。開業資金は、都内であれば800~1,000万円ほど必要です。しかし、シェアレストランであればこれらの資金は必要ありません。マッチングサービスの手数料と数ヶ月分の間借り料金、調理器具と食材の費用があれば開業できます。

 

費用は10分の1

 

シェアレストランで開業する場合、資金は通常の形の10分の1ほどに抑えられるといわれています。具体的な費用は間借りする場所や条件によって変わってきますが、開業資金を節約できるのは確かです。低コストでオープンしたい方は、シェアレストランを視野に入れてみましょう。

 

テスト開業にもおすすめ

テスト開業に向いている点も、シェアレストランのメリットの1つになります。シェアレストランでは、1ヶ月またはそれ以下の短期スタートでの開業ができるため、少ないリスクでレストラン経営のお試しスタートができます。また、特定のエリア向けのメニューやサービスなど、ニーズ調査をしたい人にもおすすめです。よりよい条件で営業できるよう、テスト開業として活用してみましょう。

 

スタートや撤退も簡単

シェアレストランには、スタートや撤退も簡単にできるというメリットがあります。スタートに関しては、すでに店舗として完成されたスペースを間借りするため、内装や設備を調える必要がありません。開店準備に時間をかけずに、すぐスタートさせられます。

 

店舗からの撤退を決めたときも原状回復工事を行う必要がなく、持ち出す備品も少なくて済みます。撤退がダラダラ長引くのは、後のことを考えても得策ではありません。少ない手間で、スムーズに撤退が進められ、リスクを抑えることができます。

 

エリア移動も気軽にできる

スタートや撤退が簡単にできるシェアレストランなら、エリア移動も気軽にできます。思うように売り上げが伸びなかったりニーズが合わなかったりしたときは、現在とは異なるエリアで挑戦してみるのもひとつの手です。

 

また、コロナ禍で決まった場所での店舗の維持が厳しくなっている現在、スポットで活用できるのは心強い特長です。シェアレストランはコロナ禍で一気に注目が高まった営業形態でもあるので、気になる方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

シェアレストランを利用するデメリット

 

シェアレストランを希望する場合、メリットだけに注目するのではなく、利用する際のデメリットを押さえておくことも大切です。事前にいろいろなデメリットを知っておけば、起こり得るトラブルの対策もしやすくなります。

 

設備や内装は自由にしにくい

シェアレストランでは設備や内装を自分の好みに変えることができないことが多いです。また、シェアレストランはあくまで間借りであるため、使える設備に制限がかかる場合もあります。特に食材を保管する冷蔵庫のスペースは、どこまで利用できるのか相談しておく必要があります。

 

トラブルを避けるために、特にレジや金庫などの金銭関係の設備だけは別途準備するというのもおすすめです。内装に関しては自分の持ち物ではない店舗を間借りするため、デザインの変更はまずできないと思っておきましょう。なるべく自分のイメージに合った雰囲気の店舗を探すようにしてください。

 

営業日時が限られる

シェアレストランでは営業期間や日時が限られます。オーナーの定休日や空き時間に間借りするため、営業が軌道に乗っても、フルで稼働できません。そのため、売り上げの拡大は難しくなる可能性があります。

 

シェアレストランは、副業またはテスト期間と割り切って活用するとよいでしょう。本格的な開業を希望する方はシェアレストランから始めて、営業のコツを掴んだり固定のお客さんがついたりしてから本格開業するのも1つの手です。

 

住所もシェアすることになる

シェアレストランでは住所もシェアすることになります。間借りしている店舗の住所での営業となるため、貸し手側の店舗と郵便物が混同されるおそれが出てきます。また、ネットの飲食予約サービスに、店舗情報を載せにくいという問題も予想されるので注意しましょう。

 

マッチングサイトでサービスを選ぶ際の注意点

 

利用料以外の費用の有無に注意

マッチングサイトでサービスを選ぶときは、手数料や利用料以外の費用の有無に注意してください。シェアレストランとしてスペースを提供する飲食店によっては、水道光熱費やゴミ回収などの費用が別途請求される場合があります。費用の有無はしっかり確認しておかなければ、後々のトラブルに繋がります。契約する前に問い合わせておくとよいでしょう。

 

契約期間と方法に注意

マッチングサイトを利用するときは、契約期間とその方法についても注意しておきましょう。サービスを利用して営業を始めてみたものの、売り上げが悪くて契約期間よりも早めの閉店になるといった可能性もゼロではありません。

 

また、売り上げが伸びたところで契約期間が終了してしまい、波に乗りそこねるというケースも見られます。どのくらいの期間の間借りが可能なのか、契約期間の短縮や延長はできるのか、といった点を押さえておくことが大切です。

 

補償についても注意

何らかの理由でシェアレストランの設備を壊してしまったり、自分のものではない食材を使ってしまったりする可能性もあります。そんなときの補償方法についても、マッチングサイトでサービスを利用するときに確認しておきたい事項の1つです。同じ飲食店のスペースをシェアすると、設備の破損や食材の混同といったトラブルを招きやすくなります。

 

シェアレストランのおすすめサイト(2022年3月末現在)

magari

 

「magari」は、シェアレストランを希望する方に人気のマッチングサイトです。掲載されている物件数が豊富で、関東圏以外での店舗探しにも便利です。また、設備が破損したときの補償プログラムサービスがあることもポイントです。

 
エリアと利用期間
エリア 関東地方・近畿地方・北海道・東北など
利用期間 30日単位から
 
 

SPACEMARKET

 

「SPACEMARKET」は、多様なスペースを貸し出しているマッチングサイトです。1万8千件以上の物件から、店舗の間借りやキッチンだけの利用など、さまざまな使い方ができる場所が探せます。時間単位で借りられる物件もあるので、活用しましょう。

 
エリアと利用期間
エリア 東京都・神奈川県・愛知県・大阪府・京都府・福岡県など
利用期間 1時間単位から
 
 

店タク

 

「店タク」は、人気急上昇中のシェアレストランのマッチングサイトです。サイト利用料や仲介料が無料という点が注目を集め、利用者数が増えています。基本的にマッチング以外はユーザー同士での話し合いで決まるので、利用料や間借り日時は交渉次第となるのが特長です。

 
エリアと利用期間
エリア 東京都・愛知県・大阪府など
利用期間 交渉次第
 
 

Kitchen BASE

 

「Kitchen BASE」は、ゴーストレストランとしてデリバリーを始めたい方向けのサイトです。複数のキッチンが揃えられたテナントが借りられるため、固有の住所が持てる点も魅力です。デリバリーに最適な立地でキッチンを借りたい方におすすめです。

 
エリアと利用期間
エリア 中目黒・神楽坂・浅草・中野・なんばなど
利用期間 要相談
 
 

BeChef

 

「BeChef」も、ゴーストレストランとしてデリバリーのみの販売を希望する方におすすめのサイトです。デリバリーサービスの登録に必要な手続きをサポートしてくれるのが、特長になります。「Kitchen BASE」とは異なるエリアでの開業が可能です。

 
エリアと利用期間
エリア 渋谷区・京都市・福岡市
利用期間 3ヶ月から
 
 

シェアレストランで手軽な営業を始めよう

 

シェアレストランは、少ない開業資金でも営業が始められるフレキシブルで新しい形態のレストランです。事前に注意しておきたいこともありますが、余計な手間や初期費用を省いて手軽に開業できるというのは大きな魅力です。マッチングサイトで探せば自分好みの物件も見つけやすいので、これからレストランを始めてみたい方は活用してはいかがでしょうか。

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