軒先ビジネスとは?
空きスペースを活用したビジネス
軒先ビジネスとは、自宅や私有地の空きスペースをレンタルするビジネスおよびシェアリングサービスです。軒先のように小さな空きスペースから実践できることから、PR活動の予算を抑えたい企業や飲食店、個人から高い需要があるビジネスといえます。時間帯・期間を指定してレンタルできるので、土地の運用方針に合わせて柔軟に対応できるのが軒先ビジネスのメリットです。
軒先ビジネスを通して飲食店や企業のPR活動拠点を拡大できるだけでなく、音楽や絵画などの創作に勤しむ個人の活動の幅が広がるのも魅力です。土地活用に悩む所有者(=オーナー)と、場所や店舗を借りる人(=ユーザー)をつなぐサービスとして軒先ビジネスは注目されています。
シェア内容に合わせた多彩なプラットフォームがある
軒先ビジネスは、特定のシェア内容に特化したプラットフォームが数多く用意されているのが特長です。借りる場所・収容可能人数・目的などの観点からプラットフォームを選んでもらうことで、オーナーとユーザー間のマッチング精度が向上するという仕組みになっています。
マッチング精度の向上によって、ユーザーは自身の目的に合った場所をレンタルできます。オーナー側にとっても、自身が所有する空きスペースの需要・収益の安定化につながるというメリットがある点で注目すべきポイントです。そのためプラットフォームの多様化は、軒先ビジネスの成功と発展における重要なポイントといえるでしょう。
軒先ビジネスが注目される理由・背景とは?
①稼働していない資産の増加
軒先ビジネスが注目されはじめた理由として、「稼働していない資産の増加」が考えられるでしょう。総務省統計局が発表している「平成30年住宅・土地統計調査」の結果によると、空き家の数は848万9千戸と2013年度の調査から約3.6%増加しています。
総住宅数における空き家の割合については13.6%と、過去最高値の数字になっている点からも、稼働していない資産は日本全国で増加傾向です。稼働していない資産は稼働中のものに比べて膨大な費用がかかりやすく、再び市場に戻すのが困難です。その点、資産の状態・周囲の環境に合わせて用途や運用方法を変えられる軒先ビジネスは、稼働していない資産を復活させるのにぴったりな方法として注目されています。
②ユーザーとのマッチングが容易になった
インターネットの発展により、今やさまざまな情報がスマホやパソコンを通して簡単に取得できます。それに伴い、ユーザーとのマッチングが容易になったことが、軒先ビジネスが注目されはじめた理由の1つといえるでしょう。従来の土地運用は専門知識・マネジメント力が必要な場面が多く、個人では難しい傾向にありました。
しかし昨今は、どんな土地・用途に需要があるのかもインターネットメディアを通して簡単に確認できる環境になっています。そのため、オーナーが個人で土地運用・マネジメントを行う手段として軒先ビジネスが注目されているのです。
軒先ビジネスが持つメリット・効果とは?
①使われていない資産を有効活用できる
売上と運営コストの採算が取れなくなった、入居・出店する人がいないなどの理由から、街中には空き地やテナントをはじめとした、稼働していない資産も存在しています。これらは「遊休資産」と呼ばれ、そのままにしていると収益がない状態で固定資産税・メンテナンス費用などの維持費だけが大きく膨らむことも少なくありません。
軒先ビジネスでは、そんな遊休資産を出店場所・展示スペースなどといった形で新たな価値を与えられるのがメリットです。それまで稼働していなかった土地や建物を蘇らせるだけでなく、軒先ビジネスを通して得た収益によって税金が安く抑えられるという魅力もあります。
②地域の活性化につながる
遊休資産が増えてしまうと、人の流入が減る・地域の賑わいが低下するなどの課題につながる場合もあります。そんな遊休資産によるさまざまな地域課題を改善する打開策としても、軒先ビジネスは注目されているのです。遠方にある人気店のポップアップストアを出店したり、その地域の企業・団体のPR会場としてレンタルしたりといった方法で、地域活性化の効果が期待できます。
③空き店舗での犯罪・トラブルの抑止につながる
空き店舗や空き家の増加による悪影響は、所有者だけに留まりません。例えば、建物の倒壊・崩壊による景観の悪化、ごみの不法投棄やネズミ・ハエなどの発生による衛生面の低下などが挙げられます。また、空き店舗を利用した犯罪の誘発などの可能性もゼロではありません。軒先ビジネスを活用することで空き店舗の定期的なメンテナンスの必要性が出てくるため、環境トラブルや犯罪の抑止にもつながります。
軒先ビジネスの実践例を紹介!
①飲食店の出張店舗
小規模な空き店舗の場合は、近隣の飲食店の出張店舗としての実践例もあります。すでに調理済みの軽食を出張店舗で販売する営業スタイルはもちろん、車両の乗り入れが可能なスペースであれば、キッチンカーも活用できます。
②企業のセールスプロモーション会場
軒先ビジネスでは、屋外・施設内の小さな空き店舗を企業のセールスプロモーション会場として活用する例もあります。準備にかかるコストを抑えつつPRができ、自社製品のアピールや社外イベントを通して地域活性化につながりやすい点が魅力です。ホールなどの広めの場所であれば、多くのゲストを迎えての講演・イベントを用途イメージとしてレンタルするのもよいでしょう。
③コインパーキング
駐車場・私有地の一角などといった小さなスペースであれば、コインパーキングとしてレンタルする例もあります。いわゆる「駐車場シェア」と呼ばれるスタイルであり、旅行客や運送会社などからの需要が高い傾向にある軒先ビジネスです。
④宿泊・居住スペース
オーナーが所有する住宅の空き部屋で軒先ビジネスをする場合は、宿泊・住居スペースとしての活用例もあります。実践には宿泊・居住に必要な機材をあらかじめ揃える必要がありますが、その分長期的・継続的な収益が見込める点が魅力的です。また、駅や都心に近い場所であるなど、立地によって需要や1回のレンタルで得られる収益が変わりやすい傾向にあります。
しかし、空き部屋を民泊スペースとして貸し出す場合「住宅宿泊事業法(民泊新法)」や「旅館業法」にて記載されている条件をクリアするとともに、都道府県知事等への届け出が必要になります。また、営業時には周囲への配慮を心がけることも大切です。制度について不明な点があれば「民泊制度コールセンター」にて質問しておくことをおすすめします。
⑤個人のイベント・出店場所
自宅や店舗の一部で軒先ビジネスをする場合には、創作活動を行う個人のイベントや出店場所としての活用例もあります。広い場所ならコンサート会場に、小さめのスペースであればハンドメイド作品の展示やポップアップストアなどの用途に最適です。
軒先ビジネスが始められるおすすめのサービス(2022年5月末現在)
①軒先ビジネス
「軒先ビジネス」とは、シェアリングサービスのパイオニアともいえる軒先株式会社が運営する軒先ビジネスサービスです。2008年に開始して以来、業界内で最大級の売上を誇っています。出店や集客に関する提携サービスや補償プログラムが充実している点が特長です。特に、飲食・物販・マーケティングの3つの分野に強い傾向があります。
②SPACEMARKET(スペースマーケット)
「SPACEMARKET」とは、ビジネスからプライベートまでさまざまなシーンでのレンタルに対応した軒先ビジネスサービスです。会議や撮影・女子会・レッスンなどといった細かい用途イメージから登録・レンタルができるので、より精度の高いマッチングが期待できる軒先ビジネスサービスといえます。
③SHOPCOUNTER(ショップカウンター)
「SHOPCOUNTER」は、商用利用を目的としたスペースレンタルに特化した軒先ビジネスサービスです。初めて出店する人は、ポップアップストアの販売戦略策定や出店交渉、人員・機材手配など、出店から運営までをサポートしてくれる「SHOPCOUNTERおまかせ出店」を利用するのもよいでしょう。
軒先ビジネスで空きスペースを有効活用しよう!
小さな空きスペースから活用できる軒先ビジネスは、副収入につながるだけでなく、運用に困る土地や建物を再び蘇らせる手段としても注目されています。ぜひ軒先ビジネスを使って、空きスペースを有効活用してみてはいかがでしょうか。
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