メタバースとは?
メタバースとは、「超越した」「高次の」という意味の「メタ(meta)」と「宇宙」を意味する「ユニバース(Universe)」を組み合わせた造語です。自分の代わりとなるアバターを作り出し、インターネット上のシェアリングした仮想空間の中で互いの交流を楽しめる仕組みを指しています。
メタバースは、任天堂の「どうぶつの森」や数千人規模が同時参加できるMMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)を利用するゲームユーザーには比較的身近だったものの、一般的にはあまり知られていない概念でした。
しかしITの目覚ましい進歩に加えてリモートワークの普及により、ビジネス用途を中心に様々な方面でメタバースも非常に注目を集めています。
POINT
イメージはあの有名映画
各自が作成した思い思いの分身(アバター)で、一つの電脳空間・サイバー空間に大勢の人が集まる仕組みです。かの有名映画「マトリックス」や「アバター」をイメージしていただけると分かりやすいかと思います。
メタバースとVRの違いは?
メタバースと混同されがちなのが、VR(Virtual Reality)です。日本語では、仮想現実と訳されます。結論を言うと、メタバースはインターネット上に用意された「空間」であり、VRはその空間をよりリアルに感じ取るための「デバイス」です。そのため、VR用の機器がなくてもメタバースは利用できます。ただし、より臨場感のあるコミュニケーションを実現するためには、VR機器が必要です。
メタバースで何ができる?仮想空間×ビジネスの展開例
メタバースをビジネスに活用するとしたら、どのような展開が考えられるでしょうか?たとえば、メタバース内で社内会議や研修を行えば、Zoomなどのオンライン会議アプリでは不十分だった「人とのリアルな距離感」や「対面して会話する雰囲気」をバーチャルで再現できます。
そういった人同士の距離感や会話している感じが大切な要素になるオンライン交流会や飲み会などの場としても有効でしょう。
また、各種ライブイベントや展示会をメタバースで行うことも可能です。感染症の予防効果に加えて、場所代などのコスト削減効果も期待できます。
仮想空間のためのVR設備:費用やお得な導入方法は?
先述の通り、メタバースはVR機器なしでも使えますが、これからサービスがより進化していくことを考えると、ぜひ専用の設備を用意しておきたいところです。具体的にはどのような設備が必要なのか、費用感も含めて確認していきましょう。
①VRゴーグル・ヘッドセット
最初に用意したいVR機器が、仮想空間対応のゴーグルやヘッドセットです。以下の3タイプの中から、求める機能や予算に合わせて機種を選びます。
スマートフォン用 | VRアプリを起動させたスマホに取り付けるタイプ。動画視聴用として使われるケースが多い。 |
パソコン用 | HDMI端子やUSBケーブルでパソコンと接続するタイプ。ゲーム操作にも対応しており、幅広いコンテンツに対応できる。 |
スタンドアローン | バッテリーやディスプレイをゴーグルに内蔵しているタイプ。簡単なゲーム操作もできる。 |
3タイプのうち、ビジネス目的ならパソコン用かスタンドアローンがおすすめです。片目ごとの視力に合わせることができる「ピント調節機能」やVRゴーグルの細かな動きを仮想空間にも反映できる「ポジショントラッキング機能」がある機種なら、仮想空間でより快適に過ごせます。
VRゴーグルやVRヘッドセットのお値段は、2万~4万円ほど。ポジショントラッキング機能付きだと、5万~8万円程度です。
②高スペックのパソコン
メタバースやVRを使いこなすためには、パソコンのスペックがある程度必要です。少なくとも書類作成、ネットサーフィンなどを主目的とした低価格帯のパソコンでは、安定した動作が見込めません。
GPUメーカーであるNVIDIAとAMDがそれぞれ公開している指標によると、VRヘッドセットを使うためには最低限下記のスペックは必要とされています。
CPU | Intel Core i5-4590もしくはAMD Ryzen 5 1500X以上 |
メモリ | 8GB以上 |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce GTX 1060もしくはAMD Radeon RX 590以上のGPUを搭載 |
いわゆる「ゲーミングPC」と呼ばれる機種が多く、価格帯としては20万円前後が多く見られます。その他、VRゲームを楽しみたい場合は、コントローラーなども必要です。合わせて、仮想空間に長時間いても体にストレスがかからないよう、椅子にこだわる人も増えています。したがって、VRの設備をゼロから揃えるなら30万円程度はかかると考えておくべきでしょう。
VR機器を手軽に導入するには?
コスト面を考えると、VR機器の導入ハードルはやや高めです。より気軽にVR機器を導入するためのポイントをまとめました。
①VR機器のレンタルサービスを利用する
「アストネス」や「PuPuRu VR」などのサービスを使えば、VRに対応できる高スペックのパソコンやVRゴーグルを最短1週間からレンタルできます。「JAPAN EMOTION」のように法人向けのサービスであれば、必要な機器が多いときの大口レンタルにも対応してくれます。こういったサービスを活用して、VR機器の使い心地を試してみましょう。
②補助金/助成金を活用してVR設備をお得に導入する
VRの導入コストを抑えたい場合、補助金や助成金の活用も検討しましょう。助成金制度は地方自治体によっても異なりますが、下記2つの補助金であれば利用できるケースが多いでしょう。
小規模事業者持続化補助金
経済産業省が推進している小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や生産効率の向上を目的とした経費の一部をサポートしてくれる補助金です。補助率は上限3分の2に設定されており、最大50万円まで後払いで支援を受けられます。
IT導入補助金
同じく経済産業省が推進するIT導入補助金は、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入したい中小企業や小規模事業者に対して、導入案件1つに対して必要な経費の2分の1を支援する補助金です。最大450万円が上限とされています。
補助金に関する詳しい情報は、中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」で調べてみるとよいでしょう。
POINT
VR環境を手軽に整備するコツ
環境整備にはまとまった費用が必要となりますが、近頃は、ゲーミングPCやチェアのレンタルを行っているサイトも多く見られます。出費を抑えたい場合はレンタルや補助金を上手く活用しましょう。
実例紹介~現代編~メタバース×ビジネス
「Horizon Workrooms」や「Immersed」、「oVice」など、ビジネス利用を主としたメタバースのサービスの名前は知っていても、詳細な部分はご存じない方は多いのではないでしょうか。今回は上記3社のメタバースサービスを紹介します。
①Horizon Workrooms
Meta社がリリースした無料のVR会議室アプリ「Horizon Workrooms」。VRユーザーであれば最大16名、ビデオ通話のユーザーも入れると最大50名まで同時利用できるサービスです。
現実世界のデスクをそのまま仮想空間に持ち込むことができ、ホワイトボードを使ったメモやブレインストーミングも簡単にできます。表情豊かなアバターと空間オーディオテクノロジーによって、リアルに近いコミュニケーションを交わす事ができます。用途に応じて空間のデザインも自由自在です。
②Immersed
「Immersed」は、米国のスタートアップであるImmersed社がリリースした仮想空間上のコワーキングスペースです。遠く離れた場所でリモートワークをしていても、同じ空間内にいるかのようなコミュニケーションを実現してくれます。
ハイスペックなゲーミングPCやVRヘッドセットがないユーザーでも使えるように現在開発が進められており、今後の発展に期待が寄せられています。Immersed公式サイトから申し込めば、14日間の無料トライアルが試せるので、パソコンスペックや設備が揃っていればバーチャルのコワーキングスペースを気軽に体感できます。
③oVice
「oVice」は、オンラインでのコミュニケーションの最大化を目的として開発された仮想空間です。日本語に対応しているため、メタバース初心者の人でも使いやすいサービスといえるでしょう。
これまでオンラインでは難しかった雑談やシームレスな移動、館内アナウンスなどを仮想空間で実現しており、多少スペックが低いパソコンやスマートフォン・タブレットでも動作可能な点も魅力です。公式サイトから、2週間の無料トライアルやデモ体験ができるため、メタバースに軽く触れてみたい人にもおすすめです。
実例紹介~未来編~メタバース×ファッション/スポーツ
メタバースを活用したサービスが次々とリリースされるなかで、その技術を活用したイベントも続々と展開されています。メタバース上で開催予定の企画のうち、特に注目が集まっているイベントについて紹介します。
ファッション分野×メタバース
2022年3月、ミラノ・ロンドン・ニューヨークのファッションウィークの直後に開幕予定のデジタル・ファッションウィーク。新型コロナウイルスの影響でデジタル化が進んだファッションイベントが、今年はついにメタバース上での開催されます。
イベントの主催は、仮想現実プラットフォームを提供しているディセントラランド(Decentraland)社とUNXD社です。UNXD社は、ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)が初めて手掛けたNFT(非代替性トークン)コレクションのパートナーとしても知られています。
近年ファッション業界ではメタバースやNFTといった最先端のテクノロジーを積極的に導入しており、新たな市場の展開が期待されています。今回のデジタル・ファッションウィークの動向から目が離せません。
スポーツエンタテインメント分野×メタバース
ファッション業界と同じく、テクノロジーの導入に積極的なのがスポーツエンタテインメントの分野です。実際にコンピューターゲームを使用したeスポーツの市場は年々成長を遂げており、2026年には500億円規模に到達するといわれています。その流れは、仮想現実やメタバースの技術にも及びます。
一例としては、イングランド・プレミアリーグの名門サッカーチーム、マンチェスター・シティー・フットボール・クラブが、仮想現実の技術を活用した最先端のトレーニングを導入する方針を固めたことが2022年1月にスポーツ紙で報じられていました。
同クラブは2021年11月にも日本のソニーグループと「オフィシャル・バーチャル・ファンエンゲージメント・パートナーシップ契約 」を締結したことで知られています。仮想空間上でトレーニングを行い、メタバース上のスタジアムで試合を観戦したり選手と交流したりできる。そんな未来が遠からず実現する予感を感じさせてくれます。
VRやメタバースがもたらす新たな人間関係への影響とは?
VRやメタバースが普及することで、これからの社会における人間関係はどう変わっていくのでしょうか?メリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
メリット
上下関係が明確な会社組織の場合、たとえば上司に対して部下が萎縮してしまい、新しいアイデアの創出や自由な意見交換を妨げてしまうケースがあります。仮想空間上でアバターを使えば、よりフラットな人間関係を構築しやすく、会社組織の風通しを改善できるメリットがあるでしょう。
また、リアルほど近すぎず、リモートほど遠すぎず、という絶妙な距離感で繋がり合うコミュニティ形成にも役立ちます。たとえば遠距離にいる親子の交流や第一印象で損をしやすい人の飲み会参加など、さまざまな場面でコミュニケーションがとりやすい空気を構築できます。
デメリット
想定されるリスクとして、仮想空間に没頭しすぎるあまりにリアルでの交流が疎かになるケースもあるでしょう。実際に、MMORPGなどにのめり込んだ子どもが親とあまり会話しなくなったというケースも見受けられます。
VRやメタバースはまだまだ発展途上な技術ですが、だからこそ今後の展開が楽しみな分野といえるでしょう。
POINT
今後の発展に期待!
今後メタバースの市場は大幅に伸びていくと予想されています。それこそ数年後には、バーチャルな空間をみんなでシェアし合うのが当たり前になっているかもしれません。これを機に興味を持たれたら、まずはオンラインコミュニティなど身近なところから触れてみてはいかがでしょうか。
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