「着地型観光」って何?今までの観光と何が違うの?

まずは、着地型観光とは一体どんな観光方式なのでしょうか。

私たちが旅行と聞いてまず思い浮かべるメジャーな観光方式には、発地型観光という名前がついています。これは、観光プランを旅行会社などの「外部の人」が作っているため、有名な観光地がツアーに組み込まれることが多いのが特徴です。バスツアーや団体旅行が、発地型観光にあたります。

一方で、着地型観光とは、旅行者を受け入れる側の地域が主体となって、有名観光地では体験できないような独自性のある経験を提供する方式のことです。その地域ならではの観光資源をもとにして、旅行者を受け入れる「着地点」である地域が、観光商品の開発、運営、情報発信などを行います。

例えば宮城県気仙沼市で立ち上がった「観光 チーム気仙沼」があります。
業種に係わらず、面白い発想を持った20名が集まり気仙沼を観光で盛り上げるチームが立ち上がりました。気仙沼の地元産業と連携したフカヒレ工場での解体ショー、漁船でのメカブ・牡蠣のしゃぶしゃぶツアー等の着地型観光が作られました。

他にも地元の人自らがツアーガイドとなり、得意分野や強みを生かした観光体験を提供しているものもあります。

SNSの急速な普及によって、誰でもメディアをもち情報発信できるようになった現代、実際に体験した人の口コミを重視する傾向が強まっています。着地型観光の、「旅行先で暮らす人」が語る「地元の魅力」は、旅行者にとってこれ以上ない有益な口コミとなり得るのです。

地元ガイドさんに案内してもらう、その地ならではのニッチな観光といったイメージですね!

「着地型観光」は提供側にもメリットが沢山!

旅行会社や行政だけでなく、一個人でも提供できる「着地型観光」は、現代のSNS全盛時代にマッチした観光方式であり、提供側のメリットが多く存在するのも特徴の一つです。
提供側が受け取れる利点を3つのポイントに分けてお伝えします。

メリット① その地域ならではの魅力を発信できる

着地型観光では、観光地側が自ら観光プランを企画したり、観光商品を設計します。そのため、地域ならではの魅力を、伝えたい形で旅行者に届けることが可能です。地元の人の力を借りながら、外からは発見されにくい観光スポットやグルメ、文化などを、旅行者に向けて提供します。そのため、他の観光地とは違う独自性のある観光プランを打ち出し、差別化することができます。

メリット② 旅行者の多様化したニーズに対応できる

これまでの日本の旅行産業は、団体ツアーをベースに発展してきました。たくさんの人が一緒のコースで観光地へ旅行するというスタイルで、皆が楽しいと感じるものを皆で楽しむ、というコンセプトで設計されたプランが多いのが特徴です。これが、従来の発地型観光の方式と相性が良く、旅行会社はこぞってツアーを企画し、旅行商品を提案してきました。

一方で、近年のインターネットの普及により、個人で情報収集して自分でカスタマイズして旅行するスタイルを好む方が増えてきました。趣味趣向がより細分化しニッチになり、一つひとつに向ける熱量が強くなってきていると言えます。

着地型観光では、個々人の嗜好に合わせたオリジナリティある観光の提案が可能であることから、現代の旅行者の多様化したニーズにあった観光プランを提供することができます。

メリット③ 訪日外国人の需要を満たすことができる

日本に訪れる外国人観光者の多くは、日本の食・自然・文化など、各地域の特色を楽しみに訪れます。

日本食に舌鼓をうったり、田園風景に感激したり。最近では、日本のアニメーション文化がインターネットを通じて海外にも浸透してきたことから、作品の舞台になった場所をめぐる「聖地巡礼」も非常に人気があります。

外国人観光客にとって、その土地独自の魅力を盛り込んだ着地型観光は非常に相性がよく、今後ますます増加するインバウンド需要に対応しやすいといえます。

メリット④ SNSでの拡散力

SNSが普及した現代では、旅行者一人一人がSNSというメディアをもち、個人の感想を発信しています。

着地型観光によって提供される独自性の高い観光プランは、このSNS全盛時代と非常に相性が良いといえます。実際に観光を体験した旅行者が、その魅力をSNSに発信した結果、投稿がバズって話題となり、急に人気沸騰する、などの可能性があるがあるからです。

一度話題になると、広告宣伝費をかけずとも、口コミの宣伝効果で継続的な集客ができるというメリットがあります。

旅慣れた人にこそ勧めたい!「着地型観光」でしか得られないメリットとは?

着地型観光には、旅行者にどんな利点があるのでしょうか?ここでは着地型観光でしか味わえないメリットを3つお伝えします。

メリット① その土地に行かないとできない貴重な体験ができる

着地型観光では、旅行者を受け入れる側の地域が主体となって情報発信するので、地元の人ならではの観光情報が提供されています。チェーン店や既存の観光事業が提供しているものではなく、各土地のルーツに根ざしているものを味わうことができます。

例えば、隠れた名店や穴場スポットを教えてもらったり、有名な歴史上の人物の縁の地を地元の人の解説付きでめぐるツアーもあります。最近では、ドラマやアニメ作品のモデル地域が、作品に登場したスポットやお店をめぐる「聖地巡礼」と言われるツアーを企画していることもあります。

その地域を訪れることでしか味わえない体験が得られるのが、着地型観光の魅力です。

メリット② 地域の人やコミュニティと交流ができる

着地型観光では、旅行先の地元の人がツアーガイドとなって、旅行者を案内してくれたり、地元の農家の方と一緒に農業体験ができたり、といった、旅行先の方と密にコミュニケーションが取れるサービスが多く存在します。

例えば、地元の人をガイド役に迎えて街歩きをする「まいまい京都」では、各分野のスペシャリストが独自にツアーを企画して様々な体験を提供しており、そこで出会ったガイドさんや、参加者同士で交流を深めることができます。

また、発地型観光よりも旅行先との距離が近いので、地元のお店で地域の方と交流を深めたり、体験先の方とコミュニケーションをとり関係構築したりできることも、魅力の一つであると言えます。

メリット③ SNSで他とは違う発信をすることができる

旅好きな方の中には、旅先で出会った魅力的な風景や体験・出会いを、SNSにて発信している方も多いと思います。

着地型観光は、その地元ならではのツアーや企画によって一般的な旅行では得られない経験ができることが特徴なので、実際にその旅行先を訪れた人によるレビューや体験談は、他の旅行者にとっても貴重な情報源となり得ます。

InstagramやX(旧Twitter)といったSNSでこのような情報を発信することで、他の旅行者の目をひくことはもちろん、後から旅行先を探す人にとって有益な情報を提供できることから、旅行者のSNSの価値を高めることにも繋がります。

雑誌やサイトに載っているメジャーな観光地も魅力的ですが、地元民だけが知る穴場スポットで現地の方とワイワイ楽しむのも旅の醍醐味ですよね!

「着地型観光」で、もっと進化した旅行体験を!

従来の観光とは違い、訪れた土地について、さらに深くディープに知り体験することができる着地型観光。個人が持つスキルに着目してそれをシェアする構造をとっていることが、着地型観光の「ここでしか味わえない魅力的な体験」を実現する要になっていると言えます。

旅行者にも提供側にもメリットがあるこの新たな観光方法は、旅慣れたあなたにとっても、ワンランク上の体験をもたらしてくれるのではないでしょうか。

次の旅行計画を立てる際は、ぜひ着地型観光を計画してみてください。

商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。

KEYWORD

関連のキーワード

NEW

新着記事

RANKING

人気の記事