動物保護はなぜ必要か?

事故・虐待などのトラブルや殺処分をゼロにするため

身近な動物愛護活動において頻繁に取り上げられるのが、飼い主不明の犬・猫に関する問題です。2020年に実施された「全国犬猫飼育実態調査」の結果によると、1年以内の新規飼育者の飼育頭数は犬・猫ともに、2018年度の調査結果から2020年まで増加し続けています。そのなかには、飼い主の高齢化・多頭飼いによる飼育困難などによって捨てられてしまったり、脱走して迷子になってしまったりする犬・猫もゼロではありません。

捨て犬や捨て猫・飼い主不明のペットは、常に事故や餓死・殺処分などの危険にさらされることになります。動物保護は、さまざまな危険によって命を落としてしまうペットたちをなくすという目的があり、保護して健康サポートをしたり、引き取り先を探したりなどの活動をしています。

 

日本国内における殺処分の現状は?

日本国内での殺処分数は24,000頭

捨てられた犬や猫が持ち込まれた場合、保健所・動物愛護センターは保護する義務があります。しかし、保護施設にもキャパシティの限界があり、捨てられたペット全てを世話し続けることは難しいのが現状です。そのため、高齢や病気などの理由によって殺処分される場合があります。

しかし、昨今は日本国内における動物保護活動の広がりによって、殺処分の数も減少傾向にあります。環境省が発表した「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」によると、日本国内における殺処分数は犬・猫合わせて24,000頭(2020年時点)です。調査データ内で最高値を出していた1974年の殺処分数(122万1千頭)から考えると、殺処分をなくすことへの人々の関心が強まった結果といえるでしょう。

 

ペットを飼ううえでの規則・罰則が強まりつつある

イギリスをはじめとした諸外国では、ペットショップへの規制や虐待防止のための規定など、動物保護や殺処分ゼロに関するさまざまな規則が存在しています。日本は諸外国に比べて動物保護についての規制が緩く、2012年に動物愛護管理法が改正された時点では、虐待などの残酷な行いに対する罰則は罰金だけという状態でした。

しかし、2019年の法改正によって動物の虐待・遺棄に関する罰則に懲役刑が加わり、犬猫の繁殖・生活環境に関する規制が作られました。このように、みだりな繁殖・多頭飼育による飼育困難をなくすための規則や罰則を強化したことが、殺処分数がゼロに近づいている背景といえるでしょう。

 

殺処分をゼロにするために個人でできる方法・支援とは?

①犬や猫の保護に関するボランティアに参加する

日本各地には、殺処分ゼロを目標に活動するボランティア団体が数多く存在しています。里親になるのが困難な場合には、このようなボランティア活動に参加してみましょう。「ボランティア」と一言で表しても、保護した犬猫の散歩・ケージの清掃などから、イベントのサポートまでさまざまな活動内容があります。

自分で直接お世話ができなくても、ボランティアは里親とマッチングさせる機会を増やしたり、殺処分ゼロに関する啓蒙活動で市民の意識向上を促したりなどの効果も期待できます。そのため、間接的に殺処分ゼロへつながる方法と言えます。

 

②TNR活動への参加

殺処分ゼロ活動の一環として注目されているのが、「TNR活動」です。TNR活動とは、捕獲し(Trap)不妊去勢手術をし(Neuter)元の場所へ返す(Return)という活動方法で「さくら耳カット」などの例があります。去勢手術を徹底すれば、野良猫の減少・殺処分ゼロにつなげることが可能です。

 

③ミルクボランティアの実施

直接犬猫のケアに携わりたい場合には、「ミルクボランティア」に参加するのもおすすめです。ミルクボランティアは、離乳前の子犬・子猫の世話をするのが活動内容で、夜間の授乳・排泄補助なども必要になります。ボランティア活動のなかでは特に実践のハードルが高い内容です。しかし殺処分ゼロだけでなく、子犬・子猫を人に馴れさせられることも可能なため、里親とのマッチングサポートにもつながります。

 

④寄付・チャリティーでの支援

簡単に殺処分ゼロへの支援を行うなら、寄付・チャリティーへの参加もおすすめです。殺処分ゼロを目的とするボランティアのなかには、活動資金や物資が足りなくて活動できない団体も多くあります。そこで、気になる団体へ向けて資金やシーツ・ペットフードなどの物資を寄付するのもよいでしょう。犬猫の飼養をモノでサポートすることで、飼育困難による殺処分のゼロに貢献できます。

 

殺処分ゼロ活動において注目の「クラウドファンディング」とは?

起案者と支援者をつなぐインターネット上のシステム

昨今は殺処分ゼロ活動への支援を募る方法として、「クラウドファンディング」が多く採用されています。クラウドファンディングは、インターネットを通して不特定多数の人々から少額ずつ活動資金を調達するシステムです。

殺処分ゼロを目標とした活動を長期的に続けていくためには、資金繰りが何より大切です。一般的に資金調達をする際には、金融機関から借入する・関係者からの出資を募るなどの方法がありますが、個人で行うには限界があります。

そこで、殺処分ゼロ活動を行う個人・団体がクラウドファンディングにて起案者となることで、いつでも手軽に資金調達が可能です。また、自身の活動内容を世界中に拡散できるので、「殺処分をゼロにしたい」という同じ志を持つ支援者を集められるというメリットもあります。

 

プロジェクトの内容によってさまざまな仕組みがある

クラウドファンディングには、購入型・寄付型・ふるさと納税型などといった、さまざまな仕組みが存在しています。そのため、クラウドファンディングを通して殺処分ゼロ活動を始める場合、プロジェクトの内容に合った形態・仕組みを活用することが大切です。

特に殺処分ゼロ活動の場合、保護した犬猫の生活をサポートする内容が中心になることもあり、寄付型を採用している起案者が多い傾向にあります。また、殺処分ゼロ活動を支援してくれた人へ団体が作ったグッズを贈りたい場合は、ふるさと納税型・購入型を活用するのもおすすめです。

 

手軽にプロジェクトの設立・支援ができる

クラウドファンディングでは、起案者の活動方針によって手軽かつ自由にプロジェクトの設立が可能です。また、個人では実現が難しい大規模なプロジェクトにも挑戦ができ、SNSと併用すれば自身の活動をより広範囲に拡散できるのも魅力といえます。そのため、殺処分ゼロ活動の実践と啓蒙活動を両立する手段としてぴったりです。

 

クラウドファンディングを用いた殺処分ゼロ活動の事例一覧

①保護犬・猫と受け入れ家族のマッチング活動(茨城県・坂東市)

茨城県坂東市にて活動する任意団体『わんにゃんサークル結生』は、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて、保護犬・保護猫の殺処分ゼロ・マッチングのサポートのために支援を呼びかけました。コロナ禍によって譲渡会が開けず、施設のキャパシティに限界が近づいていたものの、無事目標金額を達成し、保護・縁結び活動への活用をしています。

 

②虐待・殺処分から救われた保護犬のケア(東京都)

東京都のNPO法人『Tier Heim KOKUA』の場合、殺処分ゼロ・虐待から救われた保護犬のケアについての支援を募るために、クラウドファンディングサイト「GoodMorning」を利用しています。支援金の用途は、保護犬のシェルターのサポートや心身のケア・殺処分ゼロのための活動が中心です。

 

③保健所から引き取った犬や猫の保護・譲渡活動(山口県・防府市)

山口県防府市にて、犬猫の殺処分ゼロ維持のために活動するNPO法人『青い鳥動物愛護会』は、クラウドファンディングサイト「READY FOR」にて支援活動を実施しています。1度目は殺処分ゼロのための保護スペースの確保、2度目は犬猫のケア・医療費の確保を目的としており、どちらも目標金額を達成しました。

 

④高齢犬や病気・障害を持つ犬の支援(広島県・神石高原町)

クラウドファンディングは地域全体での殺処分ゼロ活動にも採用されています。広島県神石高原町は、ガバメントクラウドファンディング「ふるさとチョイス」を活用した支援活動も実施しました。寄付金はシェルターにて保護されている高齢犬や障害を持つ犬の医療費・介助費に活用されています。

 

身近な支援方法で動物たちを殺処分から守ろう!

 

クラウドファンディングなどの登場により、今や殺処分をなくすための活動は誰でも気軽に始められるようになりました。ぜひ今回紹介した実例・内容を参考に、身近な支援方法から殺処分ゼロ活動を支援してみましょう。

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