製造業系のシェアリングサービスとは

 

工場シェアリングについて知ろう!

ここ数年、「シェアリングエコノミー」が日本・海外と場所を問わず注目されています。「シェアリングサービス」は個人や企業が保有しているモノや空間、スキルなどを貸し出し、提供者・利用者ともに利益を享受する新しい概念です。それが、製造業においても「工場シェアリング」として拡大しつつあります。

 

製造業の企業が抱える課題って?

 

経済産業省が2017年に実施したアンケートによると、製造業に分類される企業の94%が「人材確保に課題がある」と回答しています。このことから、製造業の人手不足がより深刻化していることが浮き彫りになりました。また、遊休設備の活用に悩む企業は年々増加傾向にあります。

 

例えば発注先からの品質要求の基準が厳しくなり、要求に対応できる設備を導入したとします。しかし、発注先からの注文が減少すると遊休設備となってしまったり、設備があっても人手不足により稼働できなかったりと製造業の新たな課題が出てきます。

 

製造業のシェアリングサービス

そんな中、製造業向けのシェアリングサービスを新たに提供する企業が増えています。セラミックス大手の「日本特殊陶業株式会社」が「シェアリングファクトリー」を設立し、利用者は年々増加しています。「シェアリングファクトリー」では、設備・計測器を企業間で貸し借りや売買までできるインターネットサービスが展開されているのです。ここでは製造業のシェアリングサービスを、工場と機器に分けてご紹介します。

 

製造業のシェアリングサービス1:工場設備のシェアリング

 

工場設備といっても、製造するものによってあらゆる種類があるのです。生産工場に発生した余力を新たな目的に活用する「工場シェア」は、土地やスペース、材料などを共有しています。また、その受注や発注を仲介するマッチングサービスもあります。例えば、車の需要が減り生産に余力が生まれた自動車部品の下請け工場で、医療機器や搬送設備の部品を手掛ける工場設備のシェアリングなどがマッチングサービスを通じて行われているのです。

 

製造業のシェアリングサービス2:機器のシェアリング

 

製造業では、「試作・実験・評価」で一度使用した高額な計測器・測定器が、その後使われずに遊休化されていることがよくあります。そのような計測器や測定器を企業間で融通し合えば、提供者・利用者ともにメリットを得られるでしょう。機器のシェアリングにおいては近年、企業同士で測定器などの売買やレンタルが可能なプラットフォームが増えています。

 

工場シェアリングの可能性

従来の製造業では、淘汰されたり縮小を余儀なくされたりと、外部環境の変化に大きく左右されてきました。しかし、工場シェアリングが拡大すれば設備や機器を共有することで、柔軟な対応ができます。結果として、日本国内の製造業における競争力を高める可能性があるといわれているのです。

 

工場シェアリングの導入事例!

 

工場シェアリングの利用はメリット大!

工場シェアリングは、提供者・利用者・仲介するプラットフォーム全てにメリットがあります。ここでは、「シェアリングファクトリー」とそのサービス利用者の事例を挙げて、メリットや効果をご紹介します。

 

工場シェアリングの導入事例1:生産設備の貸し借りを仲介

 

企業間の機器の貸し借りをサポートする「シェアリングファクトリー」は、生産設備の貸し借りにも対応しています。具体的には、利用者となる企業が提供者側の企業へと素材や部品を持ち込み、機械や検査機器を利用させてもらいます。借りる側と貸す側、両方がメリットを得られるサービスです。両者は、このようなシェアリングサービスのマッチングサイトからマッチング可能です。

 

工場シェアリングの導入事例2:稼働率の向上

 

同じ工場内でも、稼働していない機器は存在します。いつも稼働している機器はそのままで、稼働していない時間が長いものだけをシェアすることも可能です。「シェアリングファクトリー」を経由すれば稼働率の上昇につながり、現場の職人が刺激を受けてモチベーションの向上にもメリットを得られる好事例です。

 

工場シェアリングの導入事例3:取引先の開拓

 

急な設備故障が発生しても、納期を変更できないことはよくある話です。「シェアリングファクトリー」の「加工サービス」を利用することで、最適な外注先の紹介から新しく取引関係が始まることもあります。

 

工場シェアリングの導入事例4:遊休資産の売買

新品機器の購入を検討している企業が「シェアリングファクトリー」で提供されている「遊休資産売買サービス」で、程度のよい中古機器を安価に入手した事例です。機械・工具などの遊休資産情報をリアルタイムで共有し、企業間で直接売買できることは、双方に利益があるサービスといえます。

工場向けシェアリングサービス今後の課題

 

導入には課題が…

ここでは、工場シェアリングサービスの今後の課題を情報管理と人員手配、季節要因、規模が大きい企業に分けてご紹介します。工場向けシェアリングサービスのプラットフォーム提供企業や利用者は増えているものの、製造業におけるシェアリングサービスは、未だ限定的であると考えられています。

 

工場シェアリングサービスの課題1:情報管理

 

1つ目は、情報管理です。生産設備のシェアといっても、あらゆる情報は企業にとって重要機密のひとつです。生産設備の情報をシェアすることに抵抗感を抱く企業は少なくありません。自社内の拠点間でさえ稼働状況の情報共有を嫌がる人もいるなか、対外的に遊休設備を見せることをよいとは考えない風潮もあります。

 

また、生産設備の利用者にとっても自社が提供している加工条件、検査内容などの機密情報が漏れる可能性があります。利用者側・提供者側の企業双方に、強い信頼関係が必要です。

 

工場シェアリングサービスの課題2:人員手配

 

2つ目は、人員手配です。工場が利用できる状況であったとしても、人員が最適に手配できないおそれがあります。特に納期が近い場合や優先的に対応しなければならない場合などは、早めに相談・依頼するなどして適切な人員手配をするようにしましょう。

 

工場シェアリングサービスの課題3:季節要因


3つ目は、季節要因です。業種や製品によっては繁忙期が重なり、設備を利用したいときに都合がつかないことも考えられます。こちらの場合も早めに手配するようにし、可能な限り最適化を図るようにしましょう。

 

工場シェアリングサービスの課題4:規模が大きい企業

 

4つ目は、規模が大きい企業の導入が難しいことです。工場シェアリングサービスは、スタートアップ企業や身動きがとりやすい中小規模の企業にとっては、低コストで製造できたり遊休設備の稼働率を向上させたりといったメリットがあります。規模が大きい企業では、ブランド単位で動ける会社や新規事業、社内ベンチャーなどの場合は利用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

工場シェアリングで遊休設備を活用しよう!

工場のシェアリングエコノミーは遊休資産を抱えた企業にとって、稼働率を上げたり余剰生産力を効率的に利用したりというメリットが大きい仕組みです。利用者側にとっても低コストで機器を利用できるなど、双方に大きな利益があります。しかし企業間での信頼関係が重要となるため、導入する際は注意が必要です。新たな可能性を切り開くサービスとして大変有効な仕組みであるため、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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