服のリサイクルの現状・進みにくい理由とは?

 

①リサイクルされる衣類は不用品の15.6%

 

日本総合研究所にて2020年3月に発表された「ファッションと環境に関する調査業務」の結果によると、国内において使用後に手放される衣類(=不用品)は、年間新規供給量である81.9万トンに対し推計78.7万トンと、全体の約9割になっています。また、そのうちリサイクルされる量は合計12.3万トンであり、不用品全体の15.6%です。

 

リユースされる量についても不用品全体の19.6%に留まっており、日本では国内で作られている衣類のほとんどが廃棄されています。リユース・リサイクル関連の取り組みを進めている企業・団体などはあるものの、リサイクルされる服の量自体はまだまだ少ないのが現状です。

 
 

②混紡素材の増加でリサイクルが困難な状態

 

昨今のアパレル関連企業において、最も多く展開されている服の素材が「混紡素材」です。混紡素材とは2種類以上の繊維を混ぜたもののことで、服の質感や機能性・肌触りに変化を持たせられるという魅力があります。

 

その反面、混紡素材の服をリサイクルする際には、混ぜ合わさった素材を分けることが必要です。しかし、混紡素材の品質を落とさずに分離・再生させるのは技術的にも難しいことから、1つの素材で作られている服に比べてリサイクルが困難な傾向にあります。

しかし、2017年にはH&Mが香港繊維アパレル開発センターとの共同により、混紡布地の分解・リサイクル実験に成功しています。そのため、将来的には混紡素材の分解技術の向上とともに、リサイクル活動の活性化につながっていくことが予測できます。

 

③アパレル業界への規制が緩く、各企業でのリサイクル活動が少ない

 

資源の再利用が叫ばれる昨今、各業界において製造時に出るごみの扱いに関する法令・規制が設けられていることも少なくありません。例えば、食品メーカーの場合は食品リサイクル法・容器包装リサイクル法、建築業界の場合は建設リサイクル法などが挙げられます。

 

しかし、アパレル業界をはじめとした衣類に関する法令・規制は、他の業界に比べると緩い状態になっています。リサイクル活動への促進が活発ではないこともあって、日本国内において服のリサイクル活動をしている企業自体が、まだまだ少ないのが現状です。

 

ちなみに「ファッション大国」として名高いフランスでは、2020年2月に「廃棄対策・循環型経済に関する法律」が公布されました。その法律の一部に、メーカーに対して売れ残った服の廃棄を禁止する項目も存在しています。在庫として残った服はリサイクル・寄付を義務付けるなど、海外では服の廃棄・処分に関するさまざまな規制が出ていることから、日本でも将来的に同じ取り組みが出てくる可能性もあります。

 
 

いらなくなった服の再利用・活用方法とは?

 

服のリサイクルが進みにくい現状において、自分でできるいらなくなった服の再利用方法・活用方法にはどんなものがあるのでしょうか。ご紹介していきます。

 

①リサイクルショップへの持ち込み

 

1つ目は「リサイクルショップへの持ち込み」という方法です。リユース活動の中心ともいえるリサイクルショップには古着に特化した店舗も多く、いらなくなった服を持ち込めば引き取ってもらえます。しかし、店舗によっては引き取り可能なブランド・服の状態が指定されており、値段が付かないものは処分されることも少なくありません。

 

②フリマアプリに出品

 
 

2つ目は「フリマアプリに出品」という方法です。昨今は、いらなくなった物を簡単に出品できるアプリが多く展開されているため、地域のフリーマーケットに参加せずにいらない服・古着を売ることができます。服の写真・情報を掲載するだけでよいため、自分1人でできる手軽な活用方法といえます。

 

③雑貨・小物にリメイク

3つ目は「雑貨・小物にリメイク」という方法です。服はさまざまな素材で作られているため、解体して端切れにすれば、おしゃれな雑貨や小物の材料にもなります。古着ならではの風合いを生かしたり、複数の古着を組み合わせてパッチワークを作ったりすれば、たくさんの服を捨てることなく再利用できます。

 

④販売店の衣類回収ボックスを利用する

4つ目は「販売店の衣類回収ボックスを利用する」という方法です。アパレル系のショップのなかには、店舗のどこかにいらなくなった服の回収ボックスが設置されていることも少なくありません。

 

回収ボックスで集めた衣類は各店舗・メーカーがリサイクル業者へ引き渡したり、工場などで素材の分離を行い、新しい衣類・資源に作り替えたりします。まだまだ回収ボックスがない店舗・ブランドも多いですが、利用者はただ服の持ち込みをするだけでよいため、手軽な再利用活動の1つです。

 

⑤近所・知人への寄付

 

5つ目は「近所・知人への寄付」という方法です。特に買い替える頻度が高いベビー服・子供服や、着こなせないなどの理由でいらなくなった服などは、処分するよりも寄付する方がよいでしょう。

 

直接知人へ寄付するだけでなく、地域の人への寄付ができるアプリ・寄付団体などもあるため、「困っている多くの人へ服を寄付したい」という場合には活用してみるのもおすすめです。

 

企業が行っている服のリサイクル方法・取り組みとは?

 

①世界中への寄贈活動(ユニクロ)

 

1つ目は、ユニクロが実施している「世界中への寄贈活動」です。ユニクロおよび系列ブランドであるGUでは、服を必要としている世界中の人へ服を届けることをリサイクル活動の目標としています。そのため、各店舗ではいらなくなった服の引き取り・回収を行うとともに、難民キャンプなどに届けています。

 

寄贈数・ルートについても、UNHCRや世界各地のNPO・NGOとの協力のもと必要枚数や種類を確認しており、必要に応じた衣類支援を行っています。また、寄贈できなかった衣類については、石炭などの代用品にもなる固形燃料や、自動車用防音材として再利用されるため、ゴミとして処分されることもありません。

 

②全ての布製品の回収・リユース活動(H&M)

 
 

2つ目は、H&Mが実施している「全ての布製品の回収・リユース活動」です。衣類回収活動のなかでは、自社ブランドのみ・靴下や下着などは不可能などといった、さまざまなルールが設けられていることも少なくありません。しかし、H&Mの場合は「布製品であれば何でも回収する」というスタンスで活動を行っています。

 

服のブランド・状態を問わず、いらなくなった布製品であれば、袋に入れてH&Mのリサイクルボックスへの持ち込みが可能です。片方だけになった靴下や、古いシーツ・カーテンなどといった、他の企業では回収が不可能なことが多いものにも対応しています。

 

回収した服・布製品については、最寄りの再生プラントへと運ばれ、手作業で分類されて新しい資源へと生まれ変わります。衣類回収サービスで得た過剰金は全て、繊維リサイクルの研究期間・社会活動へ寄付されるシステムです。また、持ち込んだ袋1つにつき、店舗で利用できるお得なクーポンが1枚もらえる点も魅力です。

 

③服の修理活動(パタゴニア)

 

3つ目は、パタゴニアが実施している「服の修理活動」です。アウトドア用品・衣類を扱うパタゴニアでは「製品を長く使い続けて欲しい」という願いのもと、自社製品に対して「永久保証」に近い扱い方をしています。

 

衣類についても、生地の劣化・ほころびなどが発生した場合には直営店に持ち込みをするか、パタゴニアリペアサービスに郵送することで、修理してもらえます。リサイクルというよりはリユースに近い考え方ではありますが、お気に入りの服を捨てることなく長く愛用できるようにしてくれる立派な取り組みです。

 

④古着から新しい服を作る活動(BRING)

 

4つ目は、BRINGが実施している「古着から新しい服を作る活動」です。BRINGでは、ブランドコンセプトの1つとして「服から服をつくる」という項目を掲げています。またいらなくなった古着を引き取り、一部を服の原料となるポリエステルとしてリサイクルさせている点が特長です。

 

ポリエステル素材以外の服についても着られるものは寄付、着られないものはパーツに分けて再生ウール・自動車内装材などに活用しています。ポリエステル繊維から、再生ポリエステルを作る技術も開発しており、衣類の廃棄量の削減に貢献しています。

 

服のリユースにおすすめのお得なサービス・アプリ一覧!(2021年8月末現在)

 

①ジモティー~おなじみの地元に強い無料広告掲示板~

 
 

無料の広告掲示板であり、いらなくなった衣類・生活雑貨などの寄付や売買も可能になっています。住んでいる地域ごとに譲渡可能な衣類を出品・閲覧できる点が、幅広い年代から人気です。着られなくなった古着も簡単に掲載できるため、手軽に寄付したい場合にもおすすめのサービスといえます。

 

②メルカリ~フリマアプリと言えば~

 
 

個人が簡単にモノの売り買いが楽しめるように開発された、フリマアプリです。売りたいものの写真を撮り、商品説明を入力するだけで簡単に出品が可能な点が魅力といえます。たくさんの古着もスマホ1つで売買できるため、いらなくなった服を気軽に売りたい場合にはぴったりです。

 

③ラクマ~楽天のフリマアプリ~

 

累計3000万ダウンロードを突破する人気のフリマアプリです。レディースやメンズから、ベビー・マタニティ関連衣類まで、幅広いジャンルのファッション雑貨を出品できます。出品したい商品をカメラで撮影すれば出品できるという手軽さも魅力です。商品代金は取引完了まで運営会社が預かってくれるなど、出品時のトラブル対策も整っています。

 
 

④コメ兵~老舗のリサイクルショップ~

 

名古屋を中心に展開している創業70年以上のリサイクルショップです。インポートブランドやアウトドアブランドなどをはじめ、さまざまなジャンルの衣類の買取に対応しています。季節外のアイテムも買取可能なうえ、郵送の際には専用の宅配キットが郵送されるため、実店舗にいかなくても買取してもらえる点も魅力です。

 
 

⑤FUKU CHAN〜着物専門のリサイクルショップ〜

 

買取実績600万点を誇る、着物専門のリサイクルショップです。着物のブランド・種類を問わず、着物買取の経験を積んだ査定士が価値に見合った価格を査定してくれます。他店では買取ができない、シミ・色あせなどの状態不良のものも柔軟に対応してもらえるため、古い着物の扱いに困ったときにはおすすめです。

 
 

⑥ブックオフ~本だけじゃない~

 

本を中心とした人気の中古売買専門サービスです。本・ゲームだけでなく、古着やブランド品などといったアパレル系アイテムの買取も行っています。ノーブランド服や、ファストファッション系アイテムにも対応しているため、より手軽に古着を売りたい場合にもおすすめです。

 
 

⑦キャリーオン~子供服専門~

 

子供服の買取・販売を専門としたオンラインサービスです。ブランドのベビー服・子供服の出品が可能になっており、50万以上の買取実績を誇っています。出品された服は、スタッフが1品ずつ丁寧に検品・手入れをしたうえで管理・販売してくれるため、初めて古着を出品する方にもおすすめです。

 
 

⑧CASH~ブランドファッションに強み~

 
 

ブランド品のスピーディーな査定・買取をコンセプトとした古着買取アプリです。リストに掲載されているブランドのみの対応になりますが、アイテムの写真を撮るだけで、その場ですぐに査定額が表示される点が特長です。取引をしたい場合には、アプリ上で集荷予約をして郵送するだけでよいため、自宅にいながら古着の買取をしてもらえます。

 

いらなくなった服をリユースする時のマナーは?

 

①目立つ汚れ・臭いなどがあるものはNG

 

寄付・買取問わず、衣類をリユースする際には次に使う人が気持ちよく使えるように配慮する必要があります。そのため、タバコなどの臭いが付いたものや、シミ・汚れなどが目立つ場合には、一度クリーニングなどで清潔にしてから渡すようにしましょう。

 

②各サービスで買取・回収可能なブランドを確認しておく

特にリサイクルショップ・買取サービスなどへの持ち込みを考えている場合に押さえておくべき点といえます。各店舗・サービスには、それぞれ取り扱い可能なブランド・服の種類が異なることも少なくありません。

 

買取・回収可能なブランドはサイトなどで一覧表としてまとめられている場合があるため、事前にチェックしておくとより効率よくリサイクル・買取してもらえます。

 

③寄付の時には量・種類にも注意する

 

誰かの役に立つからといって、古着を何でも寄付すればよいというわけではありません。例えば、暑い夏にコートなど季節や現場のニーズに合わないものを寄付してしまうと、せっかくの古着も処分しなくてはならなくなります。

 

そのため実際に寄付する際には、古着を必要としている地域・難民キャンプがどのような服を必要としているかをチェックしておくことが大切です。また、量についても同様で、一度にたくさん寄付しようとすると、輸送・管理の負担になる場合があるため、適切な量かどうかをチェックしてから送りましょう。

 

④できるだけごみが出ないように配慮する

特に古着で小物・雑貨を作る時に押さえておくべき点といえます。いくら古着を活用して小物を作っても、余った端材・細かい端切れが多いとどうしてもごみの量も増えてしまいます。そのため、余った端材は別のアイテムを作る時の材料にするなど、できるだけごみが出ないように心がけましょう。

 

さまざまな方法でいらなくなった服をリサイクルしよう!

 

毎日多くの古着・売れ残りの服が処分されている昨今、リサイクルは服を必要とする人たちの助けや、新しい素材の原料への再生につながる大切な活動です。「古着の処分方法に困っている」という方は、ぜひ今回ご紹介したリサイクル方法・活用方法を参考に、いらなくなった服をリサイクルしてみましょう。

 

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