いま、コインランドリーが進化している!

コインランドリーの歴史をひも解いてみると、ビジネスとしての起源は1930年代のイギリス、アメリカに見出せます。まだ電気式の洗濯機が一般的ではなかった時代、手間を省けるまったく新しいサービスの登場は多くの人から歓迎をもって受け止められました。現代のコインランドリーとの違いは、コイン式ではなく時間貸し制だったこと。また、当初はセルフサービスではなく、店員が常駐していたそうです。コインを使ってセルフで洗濯ができるまでになったのは、1940年代後半の出来事でした。

ちなみに日本におけるコインランドリーの起こりは1950年代の東京。当時は貸洗濯機場と呼ばれ、戦後復興から高度経済成長期にかけての慌ただしい社会状況にあって、利用者の評判は上々だったようです。1960年代に入るとビジネスはいっそう本格化し、銭湯にコイン式の洗濯機が登場。ほどなく乾燥機も導入され、梅雨どきや悪天候のときに重宝されるようになりました。そこから共働き世帯の増加もあってコインランドリーは急速に普及し、いまでは店舗数は2万軒を超えるまでに。専用のバッグに詰め込んだ衣類を預かって、洗濯、乾燥、畳み作業までを行ってくれる洗濯代行というサービスも生まれました。そして近年は都市圏を中心にスーパー、カフェ、温浴施設といった異業種のビジネスと併設されるスタイルも増加傾向にあります。

こうしたトレンドの背景の一つに、企業サイドが人件費をかけることなくさらなる収益を得られる利点が挙げられます。またスーパーや温浴施設を例に取れば、洗濯の待ち時間に買い物や入浴ができ、時間の有効活用が望めることもコインランドリーの多様化の一因になっているといえるでしょう。サービスを提供する側にも、利用する側にもメリットを与えるようになった、新しいコインランドリー。次節では、進化の一途をたどるコインランドリーの現在地について、より詳しく見ていくことにします。

こんなこともできる令和のコインランドリー

まず注目したいのが、コインランドリーに設置される洗濯機自体が高機能化していることです。洗浄能力の向上は言わずもがな。ふとんやカーペットも洗える大型機の導入に加え、スマホと連動する形で空き状況を確認できたり、洗濯の終了を通知してくれたりといった機能が搭載された洗濯機が登場しています。キャッシュレス化も着々と進んでおり、現金を持ち合わせていなくても利用できる店舗が増加しています。

ここ最近の流れでいえば、先述したようにサービス面が充実してきていることも見逃すことができません。洗濯中にリラックスした時間を過ごせるカフェ併設型がその代表例。Wi-Fiや電源を完備したコワーキングスペースを設け、ビジネス客を集める店舗もあります。さらにはミシンやアイロン、裁縫道具などを貸し出したりする店舗も。これらは、ファッションに関するトータルサービスを提供しているといえるでしょう。ヘアサロンにコインランドリーが併設されている店も、同様の流れをくんでいるかもしれません。また、おもしろいところでは自宅では洗いにくいペット用品専用のコインランドリーも、その数を増やしつつあります。そこからさらに踏み込んで、ドッグランやドッグスパまで設けた店まで登場しています。

さまざまなスタイルがありますが、いずれにも共通するポイントは洗濯の待ち時間に着目しているということ。タイムパフォーマンスを重視する現代人のニーズに呼応するように、令和のコインランドリーは多彩な進化を遂げているのです。

サードプレイス化するコインランドリー

かつては洗濯が終わるまでただただ時間が過ぎるのを待つか、外出するのが当たり前だったコインランドリー。家事負担の軽減というメリットこそありましたが、ここまで述べてきたような多様なサービスを提供することはありませんでした。しかし、いまでは店にいながらにして時間を有効活用できるように。洗濯にプラスアルファの機能が加わったことで人々の行動に変化が現れ、コインランドリーは家庭でもない、職場でもないサードプレイスへと変貌を遂げつつあるといえるかもしれません。

実際、カフェを併設したコインランドリーのなかには、語学教室やマルシェ、ワークショップを開催する京都・KYOTO LAUNDRY CAFEなども。本格コーヒーを楽しみながらゆったりとくつろげるカフェスペースが併設された大阪・Wash&Cafeや、こだわりのコーヒー・モチモチのベーグルなどが楽しめる居心地の良い空間を併設している東京・しろふわランドリーのように、なかにはごく普通のカフェと間違えて来店する人までいるようです。もちろん、そうした店の多くはカフェのみの利用も可能になっています。一方ではフィットネスクラブと同居する大阪・クイックドライフィット、ボルダリングジムと共存する名古屋・ランドリーicottのようなケースもあります。地域の人と一緒に体を動かすことができる店舗なら、トレーニングの前後に仲間と会話することも想像に難くありません。言い換えるならば、コインランドリーにかつての井戸端会議の再現のようなコミュニティが生まれつつあるのです。

いずれにしても、ここまで紹介してきたような「進化系」のコインランドリーは、その場に滞在する時間の意味合いをより豊かに、濃密にしてくれるもの。その結果として他者との時間のシェアという新しい価値も生まれることになり、人々にいっそうの来店動機を与えるようになっているのです。

“進化系コインランドリー”を有効活用しよう

モノやコトのシェアリング文化が広く普及する時代の流れにマッチするように、多機能化しつつある令和のコインランドリー。そこでは、ママ友同士の交流やビジネス上のコミュニケーション、休日のリラックスタイムといった、これまでにない充実した時間が流れるようになっています。知らず知らずのうちに、あなたの身近にもサードプレイスとしての働きを持った「進化系コインランドリー」が出現しているかもしれません。ご自身のライフスタイルに合わせて、有効活用してみてはいかがでしょうか。

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